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最終更新日:2021年01月15日
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第302話 「長い夏」

 今年の夏は長い。いつもの年よりかなり長い。風呂上り、日曜日にホームセンターで買ったベンチに座り、缶ビールを片手に団扇でパタパタしていると、隣りの旦那が寄って来て言った。
「あら?良いですね。ベンチ買ったんですか?」
同じく片手には缶ビールを持っているが、かなり出来上がっている。
「いや、本当に異常気象ですよね」
などと二人で話していると、ベンチの下の方でパキンと大きな音がした。
「あら?何かやばそうな音がしたけど大丈夫かな?」と座っているベンチを見回しながら僕が言った。
二人で立ち上がり、ベンチを見回すと、すのこ状に引いてある座面の板が一枚割れていた。
「ここですね。だけど、何でこんな薄い木を使ったんだろう?上の板だけ張り替えましょうか?下地の方は、太い木を使ってるんで大丈夫みたいだから。家の物置に材料があるから、ちょっと取って来ますね」
「今からですか?」
「こんなもん直ぐに終わりますよ」と言って残りの缶ビールを一気に飲み干すと自宅の方へ走って行った。
材木を物置から肩に担いで持って来ると、丸鋸で切りだした。ギュイ~ンという音が隣り近所に響き渡る。
「大丈夫ですか?こんな時間に・・・」
「大丈夫大丈夫、直ぐに終わるから」
僕は内心ハラハラしていたが、流石に大工さんだけの事はある。あっという間に座面の板の張替えを終えてしまった。
「暇な時にでも塗装しといてくれたらOKですよ」
この日は、ビールでは飽き足らず、ワインに焼酎とほぼ記憶が飛ぶほど飲んでしまった。次の朝、隣りの家族が物置の前で何かを話していた。
「おはようございます。昨日はどうも。どうかしました?」と僕。
「いやね、泥棒に入られたみたいなんですよ」
「えっ?何を取られたんですか?」
すると、物置の中の片隅を指差して言った。
「ここに置いてあったはずの材木が無くなってるんですよ」

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