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最終更新日:2019年12月06日
最終更新日:2019年12月06日
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第376話「律子さん38」

 武田さんが言った。
「船でるか?今度行く。いいか」ジョンが通訳する。
「もう船はでますか?今度遊びに行きたいけど良いですか?」勿論と私が答えると、小さな武田さんは満面の笑顔で私の首にぶら下がる様にして抱きついてきた。
帰る人を宿の人とお客さんが港まで見送る。いつの間にかそんな習慣ができている。
港に着くと荒木ちゃんは、たくさんの乗客の前で、できたばかりの新曲を披露した。私の名前が出てくる曲は、意外にもバラード調のスローテンポなものだった。上手いか下手かは別と
して、歌は心だと荒木ちゃんの歌を初めて聞いた時、そう思った。主人の顔が恥ずかしさで真っ赤になっている。石垣の病院へ行く宮西さんの顔も。できるだけ二人とも他人のふりをしている様だ。私達はあけぼの館の浩美さんを始め、今日まで楽しく過ごした人達と握手をし、歌が終わると同時に船へと乗り込んだ。エンジン音が大きくなると船はゆっくりと離岸し、序
々にスピードを上げて行く。遠く離れた港では、小さくなったあけぼの館のみんながまだ手を振り続けていた。
「荒木さんは君の歌を作ってたんだね」主人が言った。
「荒木ちゃんは西表で好きになった人を歌にするの。私は二曲目。どう?モテる奥さんを持ったご感想は?」
「な~んか微妙な感じ」
石垣で私達も安達さんのお見舞いをして行くことになり、公設市場に寄ると柿が並んでいた。
「なんで真夏に柿があるんだ?」主人の言葉に私も宮西さんも驚いて柿を見た。
「何言ってる。今は秋さ」と店主のおばあが笑った。
確かに今は十月。あまりに暑いので、身体が夏だと勘違いしている様だ。
安達さんが大好きだという柿を買って病院へと向かう。
安達さんはベッドで本を読んでいた。顔色も良く元気そうだ。
宮西さんが昨夜のことを伝えると安達さんは、
「あら、嫌だ。ばらしちゃったんだ」と言って笑った。
「来年は北海道へ行くわよ。美味しい毛ガニをご馳走してね。そしてまた会おうね。日の入る島(西表島)で」

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