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最終更新日:2019年12月06日
最終更新日:2019年12月06日
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第383話「命日」

どんよりと灰色に濁った空を見上げて祖父が言った。
「太陽さんはどうしちゃったんだろうな。最近はさぼってばっかりだ。せっかく縁台を出したのに・・・。ここに座って、お前と二人でビールを飲むのが楽しみなんだ。七輪でつまみでも焼きながらな」
「夏はまだこれからだから、きっとそんな日も来るよ」
「俺はもう歳だし、そんな悠長なことも言ってられんかもしれん。ゆうべ、死んだ婆さんの夢を見たんだわ」
「どんな夢さ」
「婆さんと二人でピクニックって言うのか?リュックしょって山道を歩くやつ」
「うん、それで?」
「良い景色だったもんで二人で見とれて歩いてたら婆さんが足を滑らせて崖から落ちそうになってな、間一髪で俺がばあさんの手をガシっと掴んで助けるんだ。でも俺も歳だから婆さんを引き上げる力がなくてな。段々と重くなって手も痺れてくるんだ。辛そうな顔をしてる俺を見て婆さんが大声で叫ぶんだ。一緒に落ちてしまうから手を離せって」
「ほうほう、それで?」
「俺はもう必死よ。お前の居ない人生なんて考えられん。だから死ぬ時は一緒だ~って叫ぶんだ」
「ふんふん。何だか映画のワンシーンみたいだね」
「そう叫んで、腕が離れそうになった時、婆さんがボンと音を立てて全身が煙に包まれたと思ったら、壇蜜になったんだ」
「えっ?壇蜜・・・?」
「それから何だか俺も急に力がみなぎってきて、無事に壇蜜を助けるわけだ」
「・・・壇蜜好きなの?」
「大好きだ。婆さんも俺の性格を良く知ってる」と笑う祖父。
「でも助かったのはな、俺の力だけじゃないんだ。お前が後ろで俺の脚をひっぱってたからなんだ」俺が?と言って僕は思わず自分の顔を指差した。
太陽が時おり顔を出す様になってきた。祖父が嬉しそうに七輪を出している。
今日は祖母の命日。仏壇の上にかかっている祖母の写真を見ると、もう暫く祖父の面倒を見てやってくれと
言ってる様だった。

 

 

 

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