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最終更新日:2020年10月19日
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第427話「人それぞれ」

AとBの三人で久し振りに行きつけの居酒屋で飲んでいると、僕等の席と通路を挟んだ隣りの席で、若い男女が何やらもめ出した。
女が男に対して興奮気味に何かを言っている。男は頷きながら時折笑みを浮かべて相槌を打っている。
僕の席からは男の顔しか見えない。対面に座っているAからは女の顔が見えるはずだ。
口に運んでいたジョッキを静かに下ろすとAは言った。
「なかなか可愛いぞ。気は強そうだけど」
「まあ、良くある痴話喧嘩ってやつだな」とB。
僕等は男女から目を離すと、再び三人の会話へと戻った。
それから何気にさっきの男女の席に目をやると、ちょうど男が対面に座っている女の方に、顔をさし出す様な格好をした。すると女は椅子を引いて立ち上がると、振りかぶる様な体制から物凄いビンタを男にかませた。
「ビタ~ン」他の客達でざわついていた店内が水を打った様に一瞬静まり返った。
男の顔は酒のせいか、ビンタのせいかよく分からないが、真っ赤になっていた。
僕の視線に気付いた男は、お騒がせしてどうもすみません。とでも言う様に笑顔を見せてお辞儀をした。
「何があったのか知らないけど、許してあげたら?」近くの席に座る年配の女性が女に言った。にっこりと笑って頷く女。何だかただの喧嘩じゃない様に思った。
「誕生日おめでとう」店内の雑踏の中から、その時だけ男の声が聞えた。女は嬉しそうに包をほどくと、中からは、何やら長い靴ベラの様な物が出て来た。それを見たAが言った。
「あれって・・騎手が使う鞭じゃないか?」
その時、男の携帯が鳴った様で、店内の雑踏を避ける様に男は外へと出て行った。
女と偶然に目が合ったAが訊ねる。
「それって鞭ですか?」
「はい、仕事で使ってくれって言われましたけど、私にはちょっと無理ですね」
「騎手なんですか?」それを聞いた女は笑いながら言った。
「いいえ、クラブでバイトをしています。あの人はお客さんなんですよ」
「クラブ?あっ!女王様?」
女はにっこり笑って頷いた。

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