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最終更新日:2019年11月14日
最終更新日:2019年11月14日
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第538話「五千円」

最初は頭の奥深くで小さく聞こえていた女性の声が段々と大きくなる。
「よろしくお願いします」なぜ知らない女性にお願いされなければならないのだろう。
やがてその声は、僕の耳元で頭がガンガンするほどの叫び声へと変わる。
日曜日の朝、選挙カーのスピーカーから発せられる大音量で目が覚めた。
毎日聞いて起きる目覚ましの音の方が、はるかに目覚めが良い。
「あっ、起きた!寝坊助だな、お早う」隣りの家の孫の四歳児である健太が遊びに来ていた。
僕がお早うと返すと、健太は祖父の元から僕の傍にかけ寄って来て言った。
「ねえねえ、五千円っていっぱいのお金?」
「う~ん、健太君にしたらいっぱいのお金だな」
「ビルドの変身ベルトも買える?」
「うん?ビルド?」
「仮面ライダービルドだよ」いつの時代も、男の子には変身ベルトが人気の様だ。
「う~んどうかな?多分買えるんじゃないかな」
「そっか~それじゃいっぱいのお金だな」どうやら変身ベルトが貨幣価値の基準になってる様だ。
「変な奴だな、さっきから何でそんなに五千円にこだわるんだ?五千円で買える物が欲しいのか?」遊び相手になっていた祖父が訊く。
「違うよ、俺じゃなくてさ、家の爺ちゃん。もうすぐ誕生日だから、プレゼントあげるんだ」
「おお、そうか、今月はあいつの誕生日だったな。そうか、健太の貯金が五千円ってことなのか」と祖父。
「違うよ、俺はお金持ちじゃないもん」
その時、選挙カーがまたやって来た。
「あれあれ、あれだよ、あれに乗ったら五千円もらえるんでしょ?」訳の分からないことを言う健太を僕と祖父が見つめていると、選挙カーから、お決まりのセリフが聞こえて来た。
「暖かいご声援ありがとうございます」選挙カーを指さすと、健太は目を輝かせながら言った。
「ほら、五千円ありがとうございますって言ってる」

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