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最終更新日:2020年01月18日
最終更新日:2020年01月18日
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第564話「お気に入り」

日曜の朝、隣りの家の孫である四歳児の健太が家中を走り回る音で目が覚めた。
僕が居間に降りて行くと、「お早う。やっと起きたか」健太の額からは、ダラダラと汗が流れていた。
「お早う。元気だな。暑いのか?汗かいてるぞ」
「うん、ちょっと暑いかも」
僕はタオルで健太の顔を拭いてやるが、シャツもジットリと湿っぽい。
「着替え持って来たか?」
健太はうなずくと、いつも背負って来るリュックの中から、ウルトラマンがプリントしてあるお気に入りのTシャツを取り出した。
去年の夏、祖父に買ってもらった物で、少し丈が短くなっている。子供の成長の速さに驚いていると、祖父が言った。
「またそれ着るのか」
「うん、俺のお気に入り」
「そうか、また暖かくなったら新しいの買ってやるからな」大喜びの健太に祖父は目を細める。
僕が顔を洗って居間に戻ると、部屋中に何ともいえない変な匂いがした。
祖父も気付いた様で、鼻をひくひくさせながら言った。
「おい、何か臭くないか?」
「やっぱ臭う?」祖父と僕は、鼻を突き出す様な格好で部屋の中を歩き回り、臭いの根源を突き止めた。
「お前、これ洗ってもらってるか?」祖父は健太のシャツを指して言った。
ブルブルっと顔を振る健太。
「洗わないと汚いだろ」
「だって洗うと縮むんだもん」
「縮んだって着れなくなるほど縮まんだろ」
「去年の服も洗ったから縮んで小っちゃくなったし」
「それはな、服が小さくなったんじゃなくて、健太が大きくなったってことだ」
そこへ父がやって来た。
「これ、洗濯機で洗っちゃダメだろ。こんなに縮んじゃって、もう着れないな」
父がお気に入りのセータを手にしながら言った。
「ほら~縮んじゃったって」健太が得意気に父を指さして言った。
それを見た祖父は父に向かって大声で怒鳴った。
「また話をややこしくしやがって、どうしてお前はそうやっていつもタイミングが悪いんだ!」

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