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最終更新日:2020年01月24日
最終更新日:2020年01月24日
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第580話「天の川」

ベッドから上半身を起こし、暗闇の中で、じっと様子をうかがっていると、揺れは徐々に大きくなった。
「地震だ~大きいぞ~」と叫びながら祖父が外へと飛び出したのが分かった。何処へ行ったのだろう?
揺れは間もなく治まったので、僕は何事もなかったかの様に再び眠りに就いた。
朝起きると、祖父と両親の三人が朝食をとっていた。
「夕べ地震あったの知ってるか?」祖父が僕に訊く。
「うん、あったね、爺ちゃん何処行ってた?」それを聞いた母が笑いながら。
「裸足で外に飛び出す程でもなかったよね」母に続き、父も笑いながら言う。
「それもな、靴を手に持って公園迄走ったそうだ」恥ずかしそうにお椀で顔を隠す様に味噌汁をすする祖父。
僕は笑いながらテレビのスイッチを入れると、地震に関する情報が流れていた。
「えっ?停電なの?」
「そうだ、だから今は太陽電池で発電したのを使ってるんだ」と言って父が指さす方を見ると、あちこちから伸びた延長コードが、太陽光専用のコンセント一ヶ所に集中している。
「使えるのは太陽が出てる時だけだから携帯の充電しておいた方がいいぞ、いつ復旧するか分からんそうだ」
テレビを見ていると夕べの地震が尋常なものではなかったことが分かった。
そんな時、上司からメールが届き、自宅待機とのことだった。電気が使えないのでは仕事にならない。
外をぶらつくと、入り口が固く閉ざされたコンビニやスーパー、交通量の少ない道路、色を無くした信号機、街全体がさながらゴーストタウンといった感じだ。
やがて夜になり、街全体が闇に閉ざされた。そんな中、空を見上げると、満天の星が輝いていた。それは今にも零れ落ちそうな程だ。
「懐かしいな、子供の頃は、こんな空を毎日見てたもんだ。今の時代は何でも電気だ。頼り過ぎなんだな。たまにはこんな夜があっても良いのかもしれん。もちろん地震が原因なんてことじゃなくてな」祖父は空を見上げながら静かに言った。
天の川が綺麗な夜だった。

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