東京に住む金持ちの友人が結婚をする事になり、招待状が届いた。
披露宴会場は『帝国ホテル』僕の他にも三人の友人に招待状が届いていた。
北海道は会費制が主流だが、今回は勿論招待。幾らずつ包もうかと四人で話し合う。
「帝国ホテルったら、芸能人が結婚式するとこだべ？」
「なんぼ包む？友達どうしの相場は、三万位らしいぞ」
「それじゃ往復の飛行機代や宿泊料で、十万は軽く掛かるんでないか？」
「俺そんな金無いぞ」
散々話し合いをした結果、友達って言う事で一万で良いんじゃないかとなった。
そんなんでほぼ決定と言う時に、一人がつぶやく様に言った
「一人五万円の料理を出すって言ってたぞ」
それを聞いた一同
「・・・・ま、まあ、それは聞かなかった事と言うで。俺らが金無いって事あいつも知ってるしさ」と強引に納得。
それから一ヶ月後、僕ら四人は帝国ホテルへと行った。
五人一組のテーブルには僕ら四人の他に、おばあちゃんが一人居た。
「あら、さすが帝国ホテルね。気が気くわ」と言ってフィンガーボールをじっと見ていた。
やがて披露宴も終わり、隣に居たおばあちゃんが僕に軽く会釈をして席を立った。
後ろの席に座っていたおばあちゃんの連れらしき人が言った。
「あら？ばあちゃん。入れ歯は？」