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最終更新日:2024年04月25日
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第105話 「小鉄」

女子社員Aの元気がない。どうしたのか聞いてみた。
「うちの小鉄が居なくなったんです」
「小鉄?」
「猫なんですけど、もう十年以上飼ってるんです」
「へ~っ、それじゃ家族同然だね。それで最近元気がないんだ。猫って結構放し飼いにしてる人が多いみたいだけど、小鉄は外へは出してなかったの?」
「外に出すと、ご近所の迷惑になっちゃうんで、殆ど出す事はないです」
「近所迷惑ったって、犬なら噛み付く事もあるかも知れないけど、猫は大丈夫なんじゃないの?」
「でも、よその家の花壇とかに糞をしたり、車の上に上ったりするんで、犬よりたちが悪いかも」
「そうそう、花壇って言えば最近家の花壇にも野良猫が来て、おしっこやウンチをして行くんだ。ホント迷惑だよなあれ」
「そういう時は木作酢が良いって聞きましたよ」
「木作酢か、早速試してみるよ。それにしても心配だね。ちゃんと帰って来ると良いけどな」
「もしどこかで見掛けたら教えて下さい。茶トラで、かなりメタボです。小鉄って呼んだら、返事しますから。それに凄く人懐っこい子なんで側に寄って来ると思います」
次の日の晩、僕が食後にビールを飲みながら外で涼んでいると、隣りの家の赤外線付きのライトがパッと点灯した。でも誰も居ない。怪奇現象か?と一瞬思ったが、良く見ると、大きな野良猫が、僕の家の花壇の方へと歩いて来るのが見えた。花壇にいつもウンチをして行く猫だ。野良猫なのに、僕の姿を見ても平然として花壇の土を引っ掻いている。体も大きい上に、態度もふてぶてしい。茶トラだった。
まさかとは思ったが、僕は猫に声を掛けた。
「小鉄?」
「ニヤ~ン」
「うっそ!小鉄?」
「ニヤ~ン」
「小鉄かお前!」
「ニャ~ゴ~」

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