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最終更新日:2024年03月29日
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第110話 「大人の言い分」

用事があって友達の家へ行った。奥さんが中学生の息子に説教をしている最中だった。父親である友達はそちらに参加せず、僕と話しをしている。
「奥さん淳に説教してるけど、お前も行かなくて良いのか?」
「ああ、二人で一緒に怒ると、子どもの逃げ場所が無くなるんだよ。だから我が家では、片方が説教すれば、片方は加担しない様にしてるんだ」煙草に火を着けながら友達が言った。
話しの内容を聞くと、どうやら学校で煙草を吸ったのが見つかり、奥さんが先生に呼び出され注意された様だった。
他人の子どもは大きくなるのが早いと言うが、本当にその通りで、オムツをしていたのが、ついこの前だった様に感じる。
「淳、お前学校で煙草吸ったのか?」と僕が聞くと。
「うん、バレちゃった」
「バレちゃったじゃないでしょ!」奥さんが淳の頭をピシャンと叩く。
「お母さんにも迷惑掛けたんだし、早く謝っちゃえよ」
「さっきから謝ってるんだけど、反省してないとか言って許してくれないんだ」
「ちょっと言ってやってくれる?私だとナメてかかってるのよ」と僕に言う。
「だから何回も謝ってるだろうが!このクソばば」
「何って言った?このクソガキが」と言って奥さんがフライパンを手に取った。
「まあまあ、待てって」何故か僕が仲裁に入る。
「おじさんが初めて煙草吸ったのっていくつの時?」淳が聞いて来た。
「そうだな、お前くらいだったかな」
「ほら、やっぱ皆吸ってるじゃんか」と母親を見て言った。やぶ蛇だった。
「あんた、何でそんな余計な事言うのよ」今度は矛先が僕の方に向いた。
「あっ、いやその・・・。淳、今はお前のことを言ってるんだろ」と慌てる僕。
「おじさんに俺を怒る資格なんて無いんじゃないの?」
「馬鹿野郎、自分の事を棚に上げて子どもに意見するのが大人ってもんだ。悔しかったらお前も早く大人になって見ろってんだ!」

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