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最終更新日:2024年04月18日
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第116話 「迷惑な電話」

こういう仕事をしているといろんな電話が掛って来る。大概は卒なくこなすのだが、中にはそうで無い物もある。この日は、まさにそうだった。不運にも社員Aが電話を取った。
「仕事ってなに?」中年風の女性が電話の相手だった。
「はい?」
「仕事ってなにって聞いてるの。求人広告の会社の人でしょ?答えてよ」
「いたずら電話ですか?」
「私はそんな暇人じゃないの、真剣に聞いてるのよ。早く答えてちょうだい」
Aは直ぐにネットで調べた。
「仕事とはですね、生計を立てるために従事する勤め。職業。とあります」
「さてはネットで調べたわね。随分情けない人ね。仕事とは何か自分自身の意見を持って無いと言う事なのね」上から目線である。
「私の仕事に対しての考えですか?」Aは聞き直した。
「当たり前じゃないのよ。私は馬鹿じゃないの、貴方が今ネットで調べた事ぐらい分ってるわよ」
「貴方ね、いきなり電話を掛け来てちょっと失礼なんじゃないですか」
「失礼?失礼ってなに?それは貴方が使う言葉じゃ無いんじゃない?私が貴方に対して失礼だって事を言っているのよね。それは私に対する押し付けなの?失礼って言いなさいって事?どっちにしても私は失礼な事だとは思って無いわよ」
「仕事があるので切らせて貰います。貴方と仕事についての議論をするつもりはありませんから」
「今、仕事があるって言ったわね。意味も分らずに仕事って言葉を使ってるの?」
話しが終わりそうもないので、Aは仕事に対しての自分なりの理念を語った。
「よく出来たわね。素晴らしいわ」その時、受話器の向こう側で、大声で話す男性の声が聞こえて来た。
「○○さん、何処に電話してるの?また訳の分らない電話してるんでしょ。相手に迷惑が掛るから早く切って部屋に戻りなさい」
「ハ~イ先生」と言ったきり電話が切れた。
数日後、また電話が来た。
今度の被害者はBだった。
「生きるってなに?」

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