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最終更新日:2024年03月29日
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第117話 「遠い国からの来客」

 スキューバーが大好きで、年に二、三回海外の何処かへ行っては、潜っている友達がいる。
彼の頭の中では、次は何処へ行って潜ろうか常に考えているらしい。遊びの合間に仕事をしているといった感じの奴だ。
彼のお気に入りのスポットは、モルディブだそうで、もう十回以上も行っている。
「モルディブってインドの下の方にある、ちっちゃこい島だろ?」僕が言った。
「そうそう。俺が毎回泊まってるホテルの支配人が来月遊びに来るんだ」
「北海道にか?」
「うん。紅葉を見に」
「そっか、向こうは常夏だから、紅葉って無いんだ。日本語は話せるのか?」
「独学らしいけどペラペラ」
「でも、随分と豪勢だよな。海外まで紅葉見物って」
「それも、一ヶ月間だってさ、凄いよな。お前の家にも連れて行くから頼むな」
それから一週間が経ち、モルディブから来た友達を今週の土曜日に連れて来るとの連絡が入った。
「何を出して、もてなしすれば良いんだろ?」
「何か、日本の家庭料理が食べたいって言ってたな」
土曜日になり、友達はモルディブからの友人を連れて我が家にやって来た。
天井に頭が着くのではと思う程の大男だった。
「随分と背が高いんですね」僕が言った。
「セ?おお、モルディブの人は全部ビッグです。ハハハハ。ホントは私だけ特別ビッグです」たどたどしいけれど、それなりに会話を楽しむ事が出来た。彼は我が家を気に入ってくれた様で、帰り際にお互いのアドレスを交換した。
「またいつか来て下さいね」妻が言った。
「今度は住所が分るから、タクシーにその住所を見せたら連れて来てくれるよ」僕がそう言うと。
「良いのですか?それじゃ、いつか来ます」嬉しそうにそう言うと、彼は僕の友達と一緒に帰って行った。
それから何日かして、来客があった。玄関のドアを開けると、モルディブの彼が立っていた。
「約束通り、五日になったから、また来ました」

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