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最終更新日:2024年04月19日
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第122話 「新聞の使い方」

日曜日の朝、祖父が探し物をしていた。
「おい、昨日の新聞知らんか?」
「新聞?知らないよ」僕が言った。
「おかしいな、何処に行ったんだろ・・・」
「何かに使っちゃったんじゃないの?」
「だいたい、じいちゃんが新聞読んでるところなんて見たことないよ。広告ばっかりで、何の役にも立たないって、いつも言ってたのにさ、どしたの?急に」
「隣りの藤田さんとこの孫、あの~なんてったっけ・・・そうそう貴彦。貴彦が野球で新聞に載ってるってんで、ちょっと見たくてな」
「へ~っ、貴彦君って野球やってたんだ」
「それがな、結構凄いんだってよ。隣の爺さんが自慢してた。毎試合ホームラン打ってるらしいぞ」
「あれっ?眼鏡も無くなったぞ。あら?今までしてたのに、何処いった?」
「そこそこ、おでこ、おでこ。大丈夫か?じいちゃん」
祖父は恥ずかしそうにすると、奥の部屋へ祖母を探しに行った。
「ばあさん。新聞、新聞知らんか?昨日のやつ」
暫くして、買い物から帰って来た母に祖父が聞いた「昨日の新聞知らんか?」
「誰も読まないから、やめちゃったよ」
「新聞やめちゃったのか?ダメだよ、やめたら」
「だって読まない物取ってたって、お金もったいないでしょ。それに一番読まないじいちゃんがどうしたの急に新聞新聞って」
「いや、ちょっと読みたい記事があってな」
「じゃ、そこのコンビに行って買ってくれば?」
「まあ、そこまでして読む程の事でも無いんだ。そっか新聞やめたのか。誰も見ないもんな。そしたら、今度から、我が家には古新聞って物が無くなる訳だ。ちょっと不便じゃないか?何かと使うぞ。古新聞は」
「・・・・あっ、そっか、無いと不便だよね。色々使うもんね。古新聞」
「だろ?不便だろ、ないと」
「取ろっか、古新聞」と母。
「違うっての、取るのは古新聞でなくて、新聞!」

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