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最終更新日:2024年04月25日
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第126話 「中華料理」

社内でもケチで有名な部長が、部下数名に声を掛けた。
「今度、知り合いが中華料理店を始める事になったんだ。来月オープンらしいんで、どうだ?行かんか?」
みんな自分達の耳を疑った。
「それって、部長のおごりですか?」女子社員の一人が恐る恐る聞いた。
「そりゃそうだろ。俺が誘ってるんだから、俺が金を出すのは当たり前だろ」
「この人数だと結構掛りますよ」皆一応に頷く。
「金の事なんて気にするな何でも好きな物食ったらいいさ」
「ご馳走様です!」全員が声を揃えてお礼を言った。
この話題は、たちまち全社員に伝わる事となった。
「おい、聞いたか?あそこの部署、○○部長のおごりで、今度メシ食いに行くらしいぞ」
「あの部長が?部下をおごるって?何か魂胆があるんだよきっと。ドケチで有名な部長が理由も無くそんな事するはずないよ」
一ヵ月後、食事会の日がやって来た。現地集合だった為、殆どの社員が部長より先に到着していた。
メニュー表を見ながら女子社員の一人が言った。
「部長、少し遅れるから何でも好きな物頼めって」
「何だかいまだに信じられないな・・・。じゃあ、俺は北京ダッグにしようかな」
「俺はツバメの巣のスープが良いな。みんな食った事無い物を頼んだ方が良いぞ。最初で最後だと思うから」
「アワビのクリーム煮」
「フカヒレの姿煮込み」
「ご飯類はカニチャーハンに蟹肉とフカヒレのおこげなんか良いな」
「瓶入り紹興酒も良いな」
と楽しそうに皆の口から次々と高級メニューが飛び出す。
少しして部長がやって来た。
「いやいや、遅くなっちゃって済まん。よし、みんな注文は決まったのか?」その時ちょうど、店員が注文を聞きに来た。
「好きな物頼んで良いぞ。今日は俺のおごりだからな。俺はラーメン!」
この一言で皆のテンションが一気に下がった。暫らく沈黙の後、
「わ、私・・・カニチャーハンにします」
「僕もラーメンにします」

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