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最終更新日:2024年03月29日
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第129話 「叔父8」後編

暫らく色々なコースを滑り、派手なウエアーを目印に叔父を探した。頂上付近へ行こうとした時、携帯が鳴った。
「いやいや、はぐれちゃったな」笑いながら叔父が言った。確信犯である。
「今、何処に居るのさ?」
「ああ、今?知りた・・・あらっ!」ザザザ、ガシャンドカン、ゴゴゴーという轟音と共に携帯が切れた。どうやらスキーをしながら電話を掛けて来た様だった。直ぐに掛け直したが、叔父の携帯は壊れた様で、全く反応しなかった。暫らく頂上付近のコースを滑って居ると、コース脇に立っている派手なウェアーの叔父をやっと見つけた。
「叔父さん、わざとはぐれ様としてるしょ」僕が笑いながら声を掛けると、全くの別人が僕の方を見た。
「あっ、もしかして私と同じウェアー着てる人を探してるじゃないですか?」
「あっ、そうなんです。何処かで見ませんでしたか?」
「その人なら、今そこで大転倒してましたよ。携帯を掛けながら滑ってたので、危ないなって思って見てたんですけどね。あっ、ストックを一本忘れて行った様ですね」よく見ると、コースのほぼ真ん中に叔父のストックが突き刺さったままになっていた。取りに行くと、その近くに、黒いプラスチックの破片が幾つも落ちていた。どうやら叔父の携帯の残骸の様だった。叔父と同じウエアーを着た男性は、僕の方に近づいて来ると言った。
「さっき、レスキューが来てスノーモービルで運ばれて行きましたよ。足をやっちゃったみたいでしたね。鬼ごっこでもしてたんですか?何かに追われる様にして滑ってましたよ。私と同じこの派手なベネトンのウエアーを着てる人って、そうそう居ないので、ついつい見ていたら、そこのアイスバーンで大転倒したんですよ。凄かったな~」
その時、放送がかかった。
「お呼び出しを申しあげます。帯広からお越しの○○さんお連れの○○さんがお待ちです。至急、医療センター迄お越し下さい。繰り返しお呼び出し・・・」

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