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最終更新日:2024年04月19日
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第138話 「マーちゃん4」

友達の家に行くと、小学五年生のマーちゃんと、友達である父親が口げんかをしていた。
「掃除したり、洗濯したりするのは僕だってお手伝いしますよ。でも、お茶ぐらい自分で入れたら良いじゃないですか。今日はこれで三回目ですよ。僕はお父さんの奴隷ではないんです」
「そんな奴隷だなんて、随分大げさだなお前」
「僕が部屋で勉強していたらお父さんが呼ぶので、何かと思ったら、お茶くれって言うんですよ。これってどう思いますか?」興奮したマーちゃんが僕に言った。
「そりゃ、お父さんが悪いな。マーちゃんの言う事はもっともだ」
「お前が勉強を初めて随分と経つから、ちょっと息抜きのつもりで呼んだんだよ」
「ふん、また取って付けた様な言い訳するんですね」
「いや、お前は勉強できるんだから、そんなにしなくてもいいじゃんよ」
「人間、これで良いと言う事はないんですよ。もしそう思ってしまったら、その人間は成長しなくなるんです。蛇が脱皮を繰り返す様に、人間も成長し、脱皮をしなくてはなりません。僕は勉強を沢山して、医者になるんです」
オバマ大統領も顔負けの熱弁である。
「医者より政治家の方が良いんじゃないか?」僕がそう言うと、友達が言った。
「政治家は半年前だ。その次は警視総監で、今度は医者か。少しずつ将来の夢が小さくなってないか?」
「人間は年月を重ねて行くと、何が出来て何が出来ないか見えて来るもんなんです。ですから自分の将来も自然と見えて来るんです。お父さんもおじさんもそうでしょ?歳と一緒に夢も小さくなって行ったでしょ?」
「うん」
大人二人が頷く。
将来、消防士になりたかったと友達が言い、獣医になりたかったと僕が言った
「二人とも僕とはレベルが違いすぎるじゃないですか」
今日は、かなりご機嫌斜めの様だ。僕は持って来たお土産を渡しながら言った。
「マーちゃん、たいやき食べるか?ほら、好きだろ」
「・・・はい、大好きです。僕、お茶入れて来ますね」

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