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最終更新日:2024年04月25日
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第139話 「こんにゃく畑」

こんにゃく畑の大好きな友達がいる。
家には、こんにゃく畑が大量に購入してあって、酒のツマミに食べるという一風変わった奴だ。
以前、子どもや年寄りが喉に詰まらせる事故が多発し、発売中止になった事がある。
「何で発売中止なんだよ。喉に詰まらせるって事故なら、こんにゃく畑より餅の方が多いんだぞ。だったら餅だって発売中止にすりゃいいじゃねえか。そう思わないか?」と八つ当たりする様に、僕に言った。
「餅はまあ、日本の食文化の一つだし、こんにゃく畑と比較するは、どうなんだろ・・・でも、お前の言う事も、もっともかもな」
「そうだろ、餅は年寄りが喉に詰まらせて死んじゃうって事故だろ?こんにゃく畑は子どもの事故が多いから発売中止になったんだよな。おかしくないか?年寄りだろうが子どもだろうが、同じ人間には変わりないだろ?年寄りなら死んだって構わないって事か?これって差別じゃないのか?」
この日はこんにゃく畑のうっ憤を何故かしら僕にぶつけて来た。
暫くして彼の家へ遊びに行くと、こんにゃく畑の代わりに一口サイズでカップに入ったゼリーがあった。
「こんにゃく畑は、もう在庫切れか?」笑いながら僕が言った。
「そうなんだよ。でもこれ結構いけるんだ。ちょっと甘いけどな。うちの奴が気を利かせて買った様なんだ。
もう少ししたら、こんにゃく畑の改良型が出るらしいんで、それ迄の間に合わせだな」
近々こんにゃく畑を食べられる様になるという事で、随分と上機嫌だった。
「これ、昔からあったやつだろ?懐かしいな」
僕は一つ手に取り、カップの両脇を指で押しながら、すする様にして口へと入れた。
その時、小学校三年生の息子がやって来て言った。
「お母さんは?」父親である彼に言った。
「あっ、タバコ切らしたんで、コンビニに買いに行ってもらってるんだ。もう戻ると思うぞ」
「カブトムシの餌、買ってくれる様に頼んだんだけど、どこにあるんだろ?」

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