求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年04月19日
最終更新日:2024年04月19日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第155話 「消えた傷」

第155話 「消えた傷」

会社で使う備品が無くなり、山本が買いに行く事になった。
会社を出て行こうとした時、羽賀も買う物があると言って、二人でホームセンターに行く事になった。
ちょうどその時、社長が車で帰って来た。
「どこ行くんだ?」と社長。
「買い物に行って来ます」
「じゃ、これ乗って行けよ。お前、乗りたいんだろ?」
「えっ?良いんすか?」
車好きの山本が喜んで言った。
羽賀がぶつけたら大変だからやめろと言ったが、山本の耳には全く入らなかった。
こうして二人は納車して間もない高級車に乗ってホームセンターへ買い出しに行く事となった。
買い物を終え、車に乗ろうとした時、山本が奇声を発し、フロントのバンパー角を指差した。
「うっそ、擦られてる・・」
山本は真っ青な顔で呟いた。
「だから止めとけって言っただろうが!」と羽賀は、わめき散らしながらホームセンターへ戻り、車の傷補修用のペンを買って来た。
「ほら、ちょっとの傷だからこれでも塗って・・・あら?色が違うかも・・・」
「これってメタリックじゃないっすか」山本が叫んだ。
明らかにバンパーの色がそこだけ違う。慌てて羽賀が指で擦ると、乾きかけていたので、ガタガタに。
今度は山本がホームセンターから紙やすりと、違う色の補修用のペンを買って来た。
ガタガタになった部分を丁寧にやすりで擦り、補修液を慎重に塗った。早く乾かすのに、二人並んでバンパーの前にしゃがみ込み、フーフと息を掛ける。通行人は不審な二人を横目でジロジロ見ながら通り過ぎる。
結果、見た目には全く分からなくなったが、社長には謝る事にした。
会社に戻ると、社長が作業服を着た男性と一緒に表に立っていた。
「遅かったな」社長がそう言うと、一緒に居た男性がバンパーを見ながらしきりに首を傾げていた。
何でばれたんだろうと二人が驚いていると、男性が言った。
「傷って何処ですか?」
社長も不思議そうに車を見渡しながら言った。
「あれ?変だな。確かこの辺だったと思うんだけどな。この前擦ったの・・・」

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態