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最終更新日:2024年04月19日
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第156話 「イチオシ本」

きゅうじんくんの一面に掲載されてる『店長イチオシ本!』を見て女子社員が加藤に言った。
「この『義男の空』って私読みましたよ」
「中札内の子どもが登場するんだろ?俺も読みたいと思ってたんだ」
次の日、女子社員は本を持って来て加藤に渡した。
「何だよ。漫画かよ」
「加藤さん、漫画をバカにしてるでしょ。漫画は日本の文化ですよ」
「ふん!そんなの俺は認めん。漫画は漫画だ」
「考えが古過ぎます。騙されたと思って読んでみて下さいよ。絶対感動するから」
「そこ迄言うんだったら読んでやるよ。もし感動しなかったらどうする?」
「お昼をご馳走しますよ。でも、もし感動したら、本三冊分の代金を下さい」こうして妙な賭けが成立した。
更に次の日、加藤は本を渡しながら女子社員に言った。
「読んでたら、いつの間にか引き込まれてて、家の子と登場人物の標(しるべ)君が被ってたな。だから我が子の様な気持ちになっちゃってさ、結構こみ上げる物があったよ。漫画でこんな気持ちになったの初めてだ。今回は俺の負けだな。充分感動したよ」と言って加藤は三冊分の代金を支払った。
「本当に良いんですか?」
「おう、約束だ」
「でも、生まれつき脳の半分が無い子って想像できます?それを受け入れなきゃならない親の気持ちって想像を絶しますよね」
「例えどんな障がいを持ってたって生まれ来た事に絶対意味はあるんだよ」
「ここに出てくる親って皆強いですよね」
「お前も子どもを持ったら分かるよ。例え自分の命に代えても子どもを守ろうとするのが親ってもんだ」
その時、山本が来て言った。
「何かシビアな話ししてません?あっ!これ、今週のイチオシ本っすよね。これって面白いんすか?」本を手に取って山本が言った。
「お前、漫画って好きか?」
「ちょっと、僕から漫画を取ったら何が残るんすか。漫画は僕のビタミン剤っす」
「ふん、お前の存在事態がギャグ漫画だもんな」

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