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最終更新日:2024年03月28日
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第162話 「マーちゃん6」

玄関のドアを開けると友達である父親と息子である小学五年生のマーちゃんが何やら言い合いをしていた。
「お前の友達を大切にしようとする考えは素晴らしいと思うよ。だけど、毎回自分の小遣いでお菓子を買ってやるのは、少し違うんじゃないかって事だよ」
「A君のお家はお父さんが病気で働けなくて、お母さんの収入だけじゃ少ないからお小遣いを貰えないんですよ。僕だけがお菓子を食べる訳にはいかないじゃないですか!」
「とにかく、お菓子はお父さんが買って来ておくから、A君が来たら、それを一緒に食べる様にしなさい」
「はい。分かりました」と言ってマーちゃんは寝た。
「A君って、近くにある豪邸の子か?」僕が聞いた。
「そうなんだ。旦那は確かに病弱で会社に行ってないんだけど、社長だしな。かなりの所得はあると思うんだ。奥さんは全身ブランド品づくめだしさ」
「でもお母さんも働いてるって言ってたよな」
「働いてるったって旦那の会社の名ばかりの役員だから収入も少ないって事らしいんだ。子どもに小遣いを渡してもゲームばかり買ってるってこぼしてる様だし」
「それでお菓子代まで回らなくてマーちゃんにたかってたって訳か」
「それが家の子だけじゃないんだ」その時、マーちゃんの部屋のドアが開いた。
「そうだったんですか・・。僕、お父さんに隠していた事があります。ご免なさい」
「どういう事だ?」
「好きなゲームソフトを飽きる迄借りられるんです。その代わりにお菓子代を時々払うって事になってたんです。親に言ったらA君が怒られるから内緒にしてって・・・お小遣いが貰えないって言ってたから可愛そうになって僕・・・」
「よし、分かったからもう寝なさい」再びマーチャンは自分の部屋に戻った。
「凄い子がいるな。ゲームを貸して、お菓子を買わせるってさ、金を貸して利息を取ってる様なもんだぞ」
「血筋って言うのかな?」
「血筋って?・・・」
「A君の家は金貸しなんだ」

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