求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年04月19日
最終更新日:2024年04月19日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第163話 「下り坂の人生」

第163話 「下り坂の人生」

高校時代の友達Aと二人で居酒屋で飲んでいると、隣りのクラスだったBに会った。
僕はBとは卒業以来会っていなかった。高校の時は、真面目過ぎて面白味がなかった為、殆ど付き合いはなかったが、Aとはいまだに付き合いがある様だった。
「今何してるの?」僕が聞いた。
「今は無職なんだ」Bは少し体裁が悪いのか、頭を掻きながら笑って言った。
「何?またか?今度で何軒目だ?」Bが驚いて聞いた。
「ちょうど十件目かな」
高校では確か生徒会の役員で、勉強もできて、責任感の強い印象があったので、そんなに職を変える様なタイプではないと思っていた。
「またか?」とA。
「そう。また倒産だ」
Aは僕の方を見ると言った。
「こいつが入る会社はみんな倒産してるんだ」
「皮肉な事にさ、自分から辞めた会社は一つもないんだ」僕を見てBが言った。
「ここ迄来るとちょっと異常じゃねえか?お祓いでもしてもらった方が良くないか?まあ、でも気にしない方がいいか。こうなったら十一件目も潰してやるって勢いで次の仕事を探した方が良いかもしれないな」
「ホローになってないだろ」僕が言った。
Bは笑って聞いている。ちょうどその時、Bと一緒だった数人が席を立った。
また今度ゆっくり飲もうと言って、Bは連れと一緒に店を出て行った。
「あいつさ、良い大学出て一流証券会社に就職したんだけどさ、その証券会社が潰れちゃったんだ」
「山一証券か?」
「そうそう、山一。それから何だか運に見放された様で、あいつの人生は一気に下り坂なのよ。去年奥さんとも離婚してさ。根が真面目な奴だからさ、何か心配でさ」
「じゃ、お前の会社で雇ったら?今日は求人広告の話しで俺とこうして会ってるんだろ?ちょうど募集するみたいだしさ」
「なっ、何言ってるのお前。俺には愛する妻と可愛い娘が居るんだよ。会社が潰れて路頭に迷ったらどうするんだよ」

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態