友達の家に行くと、何やら息子と話しをしていた。
「いいか。お前、世の中には四種類の人間が居るのを知ってるか？」
「白人と黒人と黄色人種と宇宙人？」息子が答えた。
「馬鹿、お前ふざけてるんじゃないよ。そういう種類じゃなくてだな・・世の中には、居なくてはならない人。居た方が良い人。居ても居なくても良い人。居ない方が良い人って四種類だ。お前はどの人だ？」
「ああ、そう言う意味ね。最後の居ない方が良いってのはちょっと寂しいな。居なくてはならないって言うのも何かちょっと重いって言うか、結構ウザイ様な気もするな」
「えっ？何でウザイんだ？」
「だって、居なくちゃならないって言う事は、その人じゃなきゃダメって事だろうし、その結果、責任も付いて来ると思うんだよね」
「責任を持つって嫌か？」
「うん。嫌だね。俺は自由が良いな。そうすると、居ても居なくても良い人ってのが俺には合ってるかも」
「それってもどうでも良い人間って事だぞ」
「そうそう、そのどうでも良い人間って良いな。自由な感じがしてさ。人生何事にも束縛されない。カッコ良いじゃん。俺は俺の道を行くってなもんでさ」
「じゃ何か？俺も居ても居なくても良い人間か？」
「うん。そうかな」
「お前、俺が毎日遅くまで仕事してお前ら家族を養うのに必死になっているのに、そう言う事言うか！」
「もっと肩の力を抜いても良いんじゃない？だから体壊すんだよ。仕事なんかいつでも辞めて良いんだよ。いざとなったら俺、学校辞めて働くからさ」
「お前・・・そんな事考えててくれてたのか・・・」と涙ぐむ父親。
「じゃ、母さんは？」
「母さんは居なくちゃならない人さ」
「なに？俺は居なくても良いのにか？」
「だって母さんは料理したり洗濯したり責任があるもん。親父は母さんみたいに美味い料理作れる？」友達は僕を見て言った。 「父親って悲しいもんだな」