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最終更新日:2024年03月29日
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第167話 「チームワーク」

羽賀が何やら葉書きサイズの案内状を一生懸命、封筒に詰めていた。
「これ新規オープンの案内状っすね。封筒詰めまで請け負ってるんすか?」山本が聞いた。
「いやな、オープンの日が延びたんで、案内状を作り直したんだけど、このままじゃ間に合わないって言うからさ、それで俺が手伝ってるんだよ」
「これ全部っすか?」
「そう。二千部ある」
「僕も手伝いましょうか?」
「おっ、悪るいな。自分の仕事は大丈夫なのか?」
「はい、一段落ついたんで大丈夫っす」
「じゃ、頼むわ」
「いつもお世話になってる羽賀さんの為っすから」
「・・・・」羽賀。
「いつもお世話になってる羽賀さんの為っすから」
「・・・・」羽賀。
「なんで無視なんすか!」
「うっせえな!今、数えてるんだよ。あっ、ほら分からなくなった」
仕事の手順としては、羽賀が古いオープン日の入った案内状を封筒から取り出し、山本が新しい案内状を封筒に入れ直すといった作業だった。
「でもこれ封筒を糊付けする前で良かったっすね。へたすれば、封筒まで刷り直しっすもんね」
そこへ今度は加藤が加わった。
山本から説明を受け、作業に取り掛かる。羽賀が古い案内状を封筒から出して机の隅に置く。加藤は積み上げられた案内状を自分の席に持ち帰り封筒詰めをする。その封筒を山本が糊付けする。
更に女子社員も加わり、見た目には良いチームワークだったが、残り僅かになったところで、羽賀の顔面が蒼白になった。
「えっ?何で案内状がこんなに残ってるんだ?あれ?加藤さん。ここにあった広告を入れませんでした?」
「うん。入れた」
「マジっすか!それって俺が封筒から取り出したやつじゃないですか。また元に戻してどうするんですか!あれ?でも新しい案内状が少ないな・・」
この作業にもう一人いた事に三人は直ぐに気が付いた。
隣りの部屋から無情に鳴り響くシュレッダーの音を耳にして。

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