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最終更新日:2024年03月29日
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第185話 「マーちゃん8」

父親である友達と息子のマーちゃんが喧嘩をしていた。
何時もの事だった。
「お父さんが僕の大切にしていた物を勝手に捨てちゃったんですよ」
目にいっぱい涙を浮かべてマーちゃんが僕に言った。
「だから新しいのやっただろ」と友達が言った。
「新しいとか古いの問題じゃないでしょう!」
「どうしろって言うんだ」
「直ぐに返して下さい!」
「捨てちまったもんどうしょうもないだろ」
「じゃ、何で捨てたりしたんですか!お父さんは取り返しのつかない事をしたんですよ」
マーちゃんの目から大粒の涙がポロポロこぼ れ落ちた。
「だってあれはもう、布が薄くなってたし、端の方もほころびて来てただろう」
「だからって僕に何の断りも無く捨てるのは、酷いじゃないですか!」
「お前には、今まで何回も捨てるって言ったけど、その度にダメだって言って泣いたじゃないか」
「そりゃそうですよ。僕にとっては大切な物だったんですから」
親子間の話しは堂々巡りで全く進展が見られない。
僕が友達に言った。
「お前、何を捨てたんだ?」
「バスタオルだよ」
「バスタオルって言ってもあれは普通のバスタオルじゃないんです!」
「普通のだ!」
「違う!あれはお母さんが使ってたバスタオルだ!」
マーちゃんが二歳の時に友達は離婚した。
その時以来母親の使っていたバスタオルをマーちゃんは使っていたのだ。
僕の胸に熱い物が込み上げて来る感じがした。
「違うよ。何言ってるのお前。確かあれは、三年位前から使ってるやつだぞ」
「エ・・?」僕とマーちゃんは同時に声を発した。
「お母さんのタオルは、どうしたんですか?」
「ああ、あれはお前が小さい頃、風呂上りに体を拭くのを嫌がったから、そう言っただけだ。そんなもん最初っから無いよ」
真っ赤な顔でマーちゃんが叫んだ。
「お父さんのバカー!!」

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