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最終更新日:2024年04月19日
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第190話 「濃い顔」

友達Aと二人で居酒屋で飲んでいた。
週末という事もあり、店内はかなりの客でごった返している。間もなくしてもう一人の友達Bがやって来た。
「相変わらず、濃い顔してるよな。遠くからでもすぐに分かったぞ」
Aを見ながらBが言った。
「久し振りに会って、いきなり顔が濃いってか」とA。
「その髭が、なお更顔の濃さを引き立たせてるもんな」僕が言った。
「その髭は何とかした方が良いな。無精髭にしか見えんぞ」Bが言った。
「そっか?カッコ良いと思うんだけどな。イチローだって同じ様な髭生やしてるだろ」
そう言いながら満足気に自分のアゴ髭を撫でているA。
「イチローはお前ほど顔が濃くないだろ」とB。
「変か?」と僕に振るA。
「いや、別に変じゃないけど、お前の場合顔が濃いからさ、余計くどく見えちゃうんだよ」僕が言った。
「うん、確かに濃い。自分でもそれは認める」
「でも、誰かに似てるよな。そんな顔したの居なかったっけ?」と僕はAの顔をまじまじと見ながら言った。 「モアイ像以外にか?」とBが笑いながら言った。
その時、Aが三つ奥のテーブル席に居る女の子のグループを見ながら言った。
「おい、あの子達さっきからこっちばっか見てるけど、お前らの知り合いか?」
僕とBはAが言う女の子達を見たが、僕もBも全く見覚えがなかった。
「あっ、でも俺の方見てるかも。あら、何か笑ってるし・・・」とA。
「本当だ。お前の方見て笑ってるな。きっと顔が濃過ぎるって言って笑ってるんじゃないか?」とB。
「マジ?やっぱ俺、髭剃るわ。何か急に恥ずかしくなって来た」
その時だった。
今話していた女の子達が僕らの方へやって来た。
急に自分の顔が恥ずかしくなったAは、うつむき加減でテーブルに片肘を立て、掌で顔を隠す様な格好をした。
そんなAの顔を覗き込む様にして女の子が言った。
「あの~っ・・・。平井堅さんですよね」

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