求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年03月29日
最終更新日:2024年03月29日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第192話 「専業主夫2」

第192話 「専業主夫2」

昨日、何であんな事言ったんだろう。
確かに妻の言う通りだ。暇があるんだから家の事は私がすれば良い事であって。別に目くじらを立てる事でも無い。
部屋の中を見渡すと、少し散らかっていたので、整理したが、それだけでは何だか落ち着かず、掃除機もかけた。
台所へ行くと、朝食を最後に食べた息子の茶碗があったので、それも洗い、次いでに風呂の掃除とトイレの掃除もした。
気が付くと汗だくになりながら、家中の掃除をしていた。
「主婦って結構大変なんだな」と思わず独り言を言う。
仕事をしながら主婦業をこなす妻に感謝すると同時に尊敬の念すら沸いて来る。
トイレ掃除をして一服していると、やがて仕事帰りに食材を買って来た妻が戻って来た。
「お腹空いたでしょ。今、食事作るからね」
台所へ急いで入って行く妻を見て私が言った。
「明日から食事作ろっか?」
「え?ホント?でもあなた食事なんて作れるの?」
「大丈夫だって。任せておけ」
とは言ったものの、翌日、私は途方に暮れてしまった。料理なんて、玉子焼きと目玉焼きくらいしか作った事がない。
仕方なくインターネットを開くと、驚くほど沢山の料理サイトが存在する事が分かった。
できるだけ簡単な料理を選び、レシピをプリントした。
私の料理はなかなかの好評で、とにかく妻が絶賛してくれた。
人は褒めて伸ばす。これを実践したのだ。妻の昇進もこの辺に理由がある様に思う。
「そうそう、電気なんだけど、トイレの電気は使ったら必ず消す事。電気代だって馬鹿にならないんだから」
私が家族にこう言うと。
「それってお父さんがお母さんに言われてた事じゃん」
息子がそう言って笑った。
次の日から私は朝六時に起床し、朝食と妻と娘の弁当を作り、家族を送り出した。
出掛け際、娘が言った。
「お父さん、私が買ったそのエプロン似合ってるよ」
「そっか?」
私は胸に大きくプリントされたどらえもんを撫でながら言った。
「行ってらっしゃい」

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態