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最終更新日:2024年03月29日
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第200話 「マーちゃん10」

友達の家に行くと、息子である小学五年生のマーちゃんと父親である友達が喧嘩をしていた。
この親子は毎度の事ながらよく喧嘩をする。
「また喧嘩か?今日のテーマは何だ?」僕が聞いた。
「見てください。この人参のオンパレードを」
人参が嫌いなマーちゃんが食卓に並ぶ人参の料理を見て興奮気味に言った。
「あらら、見事なくらい人参ばっかだな」僕が笑いながら言った。
「笑い事じゃないです」
「あ、はい」
「これはお父さんの僕に対する復讐なんですよ」
「復讐って随分と大袈裟だな。お前は」父親である友達が笑いながら言った。
「何で復讐なんだ?」僕がマーちゃんに聞いた。
「この前、お父さんの会社の健康診断でコレステロール値が高いって書いてあったんで、肉は少し減らした方がいいと思って、僕が食事当番の日は魚を多くしたんですよ。そしたらお父さんが根に持って、今日の人参祭りですよ」
「祭りってお前、そんな手の込んだ料理じゃないぞ。何か照れちゃうな」と笑いながら頭をかく友達。
「そんな下らない冗談はやめて下さい」
「あ、はい」
「肉が減ったっていうのはお前としてはかなり不服なのか?」僕が友達に聞いた。
「そりゃお前、魚より肉の方が断然いいよ。魚は骨が面倒くさいから嫌だな」
「それはお魚さんに対して失礼です。お魚さんは、その身を犠牲にして僕達の糧となってくれてるんですよ」
「おっ、その通り。魚に失礼だ。それにマーちゃんは、お前の体の事を考えて食事を作ってるんだぞ」僕が言った。
その日はマーちゃんも意地になっていた様で、嫌いな人参を我慢しながら残さずに全て平らげた。
次の日の夕食の事だった。
「・・・昨日の復讐ってやつか?俺の嫌いなピーマンばっかり・・・」
「嫌だなお父さん。復讐だなんて大袈裟な」マーちゃんが笑いながら言った。

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