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最終更新日:2024年03月29日
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第202話 「失言」

友達からの連絡で、何とかシンポジウムに参加して欲しいと言って来た。それも友達から直接の頼みではなく、友達の友達のまた友達の兄貴との事だった。
内容を聞くと、近代医学が何たらかんたらと言っていた。要するに、偉い先生の講演会があるので、人集めの為にギャラリーとして出席して欲しいとの事だった。ちょうどその日は用事がなかったので、渋々ではあるが承諾する事にした。
講演会当日、僕の隣りの席に座った友達が言った。
「この後に立食パーティーがあるらしいから、何か美味いもん食って帰ろうぜ」
「でも、ここに居る人達って医者とか病院関係の人達ばかりじゃないのか?」
「俺もそう思ったけど、あそこの坊主頭の人って、家の近所のラーメン屋の親父だぞ。殆どが客寄席パンダ見たいだな」
講演の内容はパソコンを使ったスライド写真の様な物を見せられ、それに対しての説明が長々と続いた。時折「ほ~っ」と言う感嘆の声がギャラリーの一部から聞こえるものの、殆どの人が居眠りをしていた。
内容に至っては勿論チンプンカンプンである。
会場も薄暗いので、僕にはどうぞお眠り下さいと言わんばかりに感じられ、いつしか深~い眠りの中へと・・・。
「おい、メシだぞ」友達の声で目が覚めた。
同じホテル内のパーティー会場へと向かう。結構豪勢な料理が並んでいて酒も飲み放題。いい加減に僕も友達も酔いが周って来た頃に、友達の友達とその友達が僕らに挨拶に来たのと同時に、さっき後援していた偉い先生が、側にやって来た。
一緒に居た友達は、よせば良いのに酔った勢いで先生に言った。
「いや~私も色々な先生の講演を聞かせて頂きましたが、やはり先生の講演が最高でしたね」と嘘ばっかり。
「これはこれはお褒め頂き恐縮です」と笑顔で返す先生。
周りはハラハラである。
「いや~本当に素晴らしい。私が知ってるどの先生よりも異臭を放ってます。オーラが違いますね」
先生は困惑した顔で言った。
「い、異臭・・ですか?」

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