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最終更新日:2024年04月19日
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第215話 「叔父17」

叔父が僕の家に来てから三日が経った。
「お前の嫁さんは料理が上手いな。家のババアとはえらい違いだ」
「もうそろそろ帰った方が良いんじゃないの?」
叔母には叔父が僕の家に居る事は初日からバレている。
「まだ三日だぞ。せめて一週間は経たんと格好つかないべや」
「早く帰った方が良いと思うけどな。叔母さん考えがあるって言ってたからさ」
「ふん、所詮は女の浅知恵 だっての。恐るるに足らん」
内心ドキドキなのに強がって見せる叔父。ちょうどその時、叔母から電話が来た。
「何だか家の人、義則の所行った見たいなんだよね」
叔父が息子の所へ行ったと言うのだ。
「よっちゃんの所って、九州じゃん。ありえないしょそんな事。一人で飛行機にも乗れないんだからさ」
「もしもだけど家の爺さんがそっちに行く事があったら、テーブルの上に普段使う物が何処にしまってあるかメモした紙を置いてあるからって、あらら、もう飛行機の時間だから、それじゃよろしく」
叔母は叔父にかこつけて九州の息子の所へ遊びに行ったのだ。
僕の妻と楽しそうに話しをしながら叔父は言った。
「どうした家の婆さんか?」
僕は電話の内容を話した。
「やられたな~。俺一人残されたって何にも出来ないぞ。だいたい、靴下が何処にあるかも分からん」
次の日の日曜日、叔父は家から愛犬のチンチロリンを連れて来た。
「こいつを頼む」
「九州に行くってかい!」
「うん、金出すから飛行機の切符買ってくれ」
「一人で飛行機乗れるの?羽田から乗り継いで行かなきゃなんないんだよ」
子どもを相手にしている様で後から考えると可笑しかった。
それから三日ほどして、叔父からメールが届いた。
(羽田では、係のおねえちゃんにずっと付き添ってもらって無事に飛行機を乗り換える事ができました)という文章と、桜島をバックに叔父と叔母が二人仲良く笑顔で写った画像が添付されていた。

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