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最終更新日:2024年03月29日
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第225話 「シロ」

ある日の社内での会話。
「最近、家の犬が太って来てさ、困ってるんだよ」と羽賀が山本に言った。
「ドッグフードっすか?」
「そうなんだけど、カロリーが高いのかな?」
「犬種は何だ?」加藤が話しに加わって来た。
「ミックス犬です」
「何だ?ミックス犬って」
「雑種の事っすよ」山本が言った。
「最近は雑種の事をミックス犬って言うのか?」
「そうっすね。何か知らないけど、そう言ってる見たいっすよ」
「名前は何て言うんすか?」
「シロ」
「お前は花さかじいさんか。ミックス犬なんて言ってるくせに、なんちゅう古典的な名前だ」加藤が言った。
「花さかじいさんの犬はポチじゃないですか」羽賀が反論する。
「違う、シロだ!」
「ポチです!」羽賀と加藤が同時に山本を見た。
「確かシロだったかと・・」
「いえ、ポチですよ。歌にもあるじゃないですか、裏の畑でポチが鳴く♪って歌詞の歌」と言って女子社員が話題に入って来た。
山本が早速ネットで調べる。
「歌の方は、物語よりかなり後に作られた見たいっすね。原文はシロが正解だそうっすよ」
「ほら見ろ、やっぱシロだ。で、何の話だっけ?」
「家のシロが太って来たって話しですよ」
「そんなの簡単だろ。餌をやらん事だな。犬の場合、水だけやっとけば、一週間は平気見たいだぞ」
「そんな酷い事、出来る訳ないじゃないですか!」
「じゃ、餌の量を減らせば済む事だろ」
「それも可愛そうだな・・嫁さんと対策を考えますよ」
「止めといた方が良いと思うけどな・・」
「どうしてですか?」
「いや、何となく・・・」
次の日の朝、何だか元気が無い羽賀に加藤が言った
「どうせ奥さんにシロと一緒にダイエットしろって言われたんだろ。お前の餌も減らされた上に大好きなビールも当分お預けを食らったってとこか?」
「お察しの通りで・・・」

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