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最終更新日:2024年04月25日
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第227話 「開幕戦」

友達が家を新築し、完成祝いに招待された。玄関を開けると、新築独特の香りがした。
そんな中を奥さんが小走りで出て来て挨拶を済ませると、僕は他の来客が居る居間へ通された。来客は全員顔見知りだった。
「あら久し振り、元気そうだね」
友達の母親が僕を見て言った。確かに久し振りだった。
「あっ、そう言えばさ、あんたんとこの求人君に応募したら懸賞に当たってさ」
「お母さんまだ言ってる」奥さんが言った。
「だって、ハッキリしないと気持ち悪いでしょ」
「何の話し?」僕が言った。
「懸賞が当たったのは良いんだけどね、私も佳恵さんも出したんだよ。あれって名字しか書いてないもんだから、どっちが当たったか分からないんだよ」
「そうだけど、年齢も書いてあるでしょ」僕が言った。
「私はメールで出したんだけど、お母さんはハガキなの。お母さんの数字の5って3にしか見えないのよ。私は38歳で、お母さんは58歳なの」と奥さんが言った。
懸賞の発表はどっちの歳だったかを聞くと、38歳との事だった。
「じゃあ、奥さんだよ」
「でもね、私の字は確かに5が3に見えるから、当たったのは、本当は私じゃないかと思ってさ・・・」
「じゃあ、お母さんは自分の字が汚いって認める訳だ」
「何言ってるのさ!私の字は個性的なんだよ!」
「物は言い様だね、字の汚いのも個性って言えば個性だもんね」嫁も負けてない。
「この間のスーパーに言った時もそうだったけど、あんたあたしの事馬鹿にしてるだろ」とプッツンした姑。
「もうその辺で良いだろ」と友達が割って入る。
「そうは行かないんだよ!何事もハッキリしとかないとね。これから先一緒に住むんだから曖昧はダメ!」と凄む母親。
散々嫁に悪態をついた上に、へそを曲げて自分の部屋に閉じこもってしまった。
一気に家中しらけムードが漂う。
それを見て野球大好きの長男が言った。
「長いペナントレースの開幕だね」

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