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最終更新日:2024年03月29日
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第229話 「登山」

映画「剣岳」のDVDを見た。
登山の趣味はないが、なぜか急に山登りがしたくなった。その気持ちをどうしても抑える事が出来ず、次の連休に、僕は山を登りに行く事にした。
「山なんて登った事あるの?」心配そうに妻が聞いた。
「中学の時に雌阿寒岳に登った事があるくらいかな」
「大丈夫なの?そんなんで」
「ガイドが付くから大丈夫」
「何で登山なの?」
「そこに山があるからさ」
山の麓にある小さな山小屋で一泊し、翌早朝に出発する事になった。山小屋には僕の他に数人の登山客とガイドが居て、各自自己紹介を済ませると、登山をする上での注意事項を聞き、食事となった。僕は隣りに座った男性を見て驚いた。
早速、声を掛けてみる。
「あの~もしかしてK-1の武蔵さんじゃないですか?」
「はい、そうです」男性は強面の顔をクシャクシャに崩し、笑顔で答えた。
「でも何でこんな所に居るんですか?」
「K-1を引退したら、登山家になろうと思ってたんですよ。今は練習期間として日本全国の初心者用の山をあちこち周ってるんです。でも、ここの山は上級者向けの用ですね。ザイルとかも使う様ですし」
「上級者?ここの山が?僕は初心者なんですが・・」
「大丈夫ですよ。ガイドも付いてますから。あっ、僕を呼ぶ時はムサシで良いですよ。これを機会にお友達になりましょう」
次の朝、僕ら一行は登山を開始した。下から見る山頂は、マッターホルンの様に見える。こんな山、登れるんだろうか?不安になって来た。
歩いて暫くすると、絶壁が見えて来た。ガイドがハーネスを岩肌に打ち付ける。うそだろ~と内心思いながら、僕はザイルを必死につかみ、岩肌を登って行く。その下をムサシが登って来るのが見える。その時、ムサシが足を滑らし、絶叫と共に谷底へと落ちて行った。
僕は大声で叫んだ。
「ムサシ~!!!!!!」
「えっ?何?何なの!どうしたの?ムサシって誰?」
横に寝ていた妻がベッドから飛び起きて言った。

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