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最終更新日:2024年04月19日
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第232話 「蛍光灯」

会社の応接室の蛍光灯が一本切れ掛かっていて、パカパカと点滅している。
それを見て加藤が羽賀に言った。
「これからお客さんのとこに行くんだろ?」
「はい、今から行くところです。何かありました?」
「ついでにさ、蛍光灯買って来てくれよ。買い置きが無くなっちゃってさ、経理から金貰って行ってくれ」
「わかりました」
暫くして羽賀が帰って来た。
「これで良いんですよね」と言って加藤に蛍光灯を渡した。
「おお、すまんな。他のは物置にしまっておいてくれ」
「他のって何ですか?」
「何ってお前、一本しか買って来なかったの?」
「はい、切れた分しか買って来ませんでしたよ」
「天井を見てみろ、蛍光灯何本ある?どうせ、その内にまた切れるんだから、予備があった方が良いと思わんか?」
「そうですね。気が付きませんでした」
「まったく、少し考えりゃ分かりそうなもんだけどな」
次の週にまた一ヶ所蛍光灯が点滅を始めた。
「ほらな、買い置きしておけば、また買いに行かなくて済む話しだろ」加藤が面倒臭そうな顔をして言った。
「今から出掛けるんで、今度は俺が買って来るよ。十本くらいあれば良いだろう」そう言って加藤は出掛けて行った。
暫くして加藤が帰って来た。
「こ、これ宜しく」と羽賀に言って蛍光灯を渡すと加藤は直ぐに外へ出て行った。
「あれ?十本じゃなかったのかな?五本しかないけど」と羽賀が独り言を言いながら蛍光灯を取り換えていると、加藤が戻って来た。
「さっき十本買って来るって言ってませんでしたっけ、五本しか無いですよ」
「え?そうだっけ?ああ、そうそう在庫が五本しか無いって言われてさ」
「そう言う事でしたか」と言って羽賀は残りの四本を物置にしまった。
その日の夕方、出先から山本が帰って来て言った。
「誰か会社の駐車場で何か割りました?たくさん硝子の破片が落ちてましたけど」

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