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最終更新日:2024年04月19日
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第240話 「二人の泥酔者」

仕事帰り久し振りに同僚と酒を飲んだ。
気付かない内にかなり飲んだ様で、ほぼ泥酔状態。タクシーに乗り家に着くと、周りの住宅街は深い眠りについていて僕のアスファルトを鳴らす足音だけが辺りに響き渡る。
玄関の鍵を開けて家に入ろうとすると、人の声が聞こえて来た。ふと隣りの家の方を見ると、隣りの旦那が花壇の前にしゃがみ込み、しきりに何かに話し掛けている。
「お前どこから来たんだ?飼い主が心配してるぞ」
僕は開けかけた玄関のドアを閉めると、隣りの家の方に歩いて行った。
「こんばんは」周りに響き渡る声を押し殺す様に僕は小声で話しかけた。
「こんばんは」小声で隣りの旦那が言った。
「何してるんですか?」
「ほら、猫が・・・・迷い込んじゃった見たいれね」
かなり酔ってる様でロレツが回っていない。
「あっ!ほんとだ。可愛い猫ですね。耳が大きいけど」
「腹を減らしてる・・・見たいなんれすよ」
「ちょっと待ってて下さいよ。今、何か食い物持って来ますから」と言って僕は寝静まった家に入り、冷蔵庫をあさると、ウィンナーとパンを見つけた。
「これ食べますかね」僕は花壇に居る猫の前にしゃがみ込み、居眠りをしている旦那に声を掛けた。
「え?あ、どうでしょう?ほら、腹減ったろ?食べなさい」と言ってウィンナーを猫に与えるが、気に入らない様で、食べようとしない。続いてパンも同じ様に与えたが、これも食べようとしない。
翌朝、食事中に二日酔いで頭がガンガンする僕に妻が言った。
「ほら、お隣りってガーデニングに凝ってるじゃない」
「うん、綺麗にしてるよね。何かオブジェとかも沢山あってさ、手入れとかも大変なんだろうな」
「そのね、オブジェなんだけど、最近買ったウサギのオブジェの前に、今朝ウィンナーとパンが置いてあったんだって、誰が何の為に置いたのか知らないけど、気持ち悪いよね」

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