求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年03月28日
最終更新日:2024年03月28日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第250話 「無職」

第250話 「無職」

無職になって半年が経った友達Aと会った。
「仕事は見つかったか?」と僕が聞いた。
「いや、まだ。まあ一人身だから少しは気楽だけどな」と笑いながら言った。
「一人身って?奥さんや子どもはどうした?」
「母子家庭の方が子どもを育てやすいから別れて欲しいって言われてさ」
「えっ?別れちゃったの?」
「うん、別れたよ」
「前に会った時は、そんな話しは全然してなかったのにさ」と驚いて僕が言った。
「あの時は失業してまだ一ヶ月ぐらいだったからさ、半年も職が見つからないんで、家のやつも愛想つかしたんだろ」
「それにしても仲の良い家族だと思ってたんだけど、何だかあっけないって言うか、何と言うか・・・」
「そんなもんだよ。作り上げるのは大変だけど、壊れる時なんて、あっという間さ。あっけないもんだよ」
無職のAに僕は知り合いの会社を一件紹介した。
「ちょうど人が欲しいって言ってたから行って見ると良いよ」
後日Aは見事採用となり、半年の無職状態を脱する事ができた。何日かして就職のお礼も兼ねて食事に誘われた。もう一人の友達Bも一緒だった。
「奥さんとはよりを戻さないのか?」と僕。
「もともと夫婦仲も冷めていたし、別れるのには良い機会だったと思うんだ」
「でも、大変な時にこそ支え合うのが家族っていうもんじゃないか」とB。
「まあ、理想はそうだけど、実際その立場になると中々難しいんだよ」
「離婚を切り出される前に何か兆候みたいなものってあったか?」とB。
「そうだな。まず極端に会話が減って、目を合わせなくなる。何を話しても冷めた感じって言うか、上の空って言うか、心ここにあらずって感じかな」
それを聞いて急に黙り込むB。
「何だか状況が似てる。特に心ここにあらずってとこ」
「だってお前仕事してるじゃん」とA。
「いや、三ヶ月前に辞めたんだ」

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態