求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年04月19日
最終更新日:2024年04月19日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第251話 「お城」

第251話 「お城」

半月ぐらい前の事、僕は出張で本州へ行った。帰りの飛行機の時間迄まだ余裕があったので、ちょっとした観光がてら、お城見学をする事にした。入場券を買って中庭を歩き、お城の門の近くへ行くと、赤っぽい鎧を着て笠を被り、手には槍を持った門番が立っていた。仕事とはいえ、暑いのに大変だなと思って見た後、携帯で写真を撮ろうとしたが、急にバッテリー切れで電源が落ちてしまった。
「あれ?昨日ホテルで充電したのに・・・」と独り言を言いながら携帯をいじくり回していると再び電源が入った。
バッテリーは満タンになっている。
結構長い間使っている携帯なので、そろそろ変え時かなと思い、もう一度門番を写そうとしたら、もうそこに人は居なくなっていた。
城を目指し古い石段を一つ一つ登って行くのだが、思った以上の急斜面で、序々に息が上がって来る。敵に攻め入られない様にとのことなのだろうが、当時はトラックやクーレンがなっかた時代だから、どれほど多くの人と時間を掛けて作ったのかと思うと、ただただ関心するばかりだ。汗だくになりながらも城までたどり着き、天守閣から城主になった気分で城下の街並みを見下ろす。想いのほか風が清々しい。遥か遠くには関ケ原が見える。一時の城主気分を味わい、ミニ観光は終了した。
出張から帰って来てからも中々疲れが取れなかった。とにかく体が重い。そんな状態で友達と一杯やった。開口一番に彼は言った。
「どこに行って来た?」
「どこって?」
「最近どこかお城見たいなとこ行かなかった?」彼には霊感があるのだ。
「体の調子悪くないか?」
「うん、悪い。体が重いっていうか・・・」
「そりゃ重いはずだよ。だって鎧着てるもん」
「もしかして赤っぽい鎧着て三角の笠かぶった人か?」
「ああ、やっぱ見たんだ。お前じっと見てたからついて来ちゃったんだよ」
「じっとって・・あれってアルバイトかなんかの人だったんじゃ・・・」
「違うって。お化けだよ」

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態