求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年04月19日
最終更新日:2024年04月19日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第254話 「昼食」

第254話 「昼食」

運転している山本に羽賀が言った。
「昼飯は何食う?」
「今日は愛妻弁当持って来てないんすか?」
「愛妻は余計だな」
「何でですか?毎日奥さんが愛情を込めて作ってくれてる弁当じゃないっすか」
「愛情?前の晩の残り物だぞ、どこが愛情だよ」
「良いじゃないっすか。残り物でも弁当に詰める時は手を加えてくれてるんすよ」
「この前だってカレーライスだぞ。そのまんまだぞ」
「きっと前の日のカレーは美味しいからって弁当にしてくれたんすよ」
「本当にそう思うか?」
「思いますよ。今時弁当を持たせてくれる奥さんって少ないと思いますよ。それに全部が全部残り物って事もないでしょ?」
「まあ、そりゃそうだけど」
そんな会話をしていると、昼時になった。細い路地を抜け、広い通りに出るとレストランが目に入った。
「おっ、何だかここ良さそうじゃん。建物もこじゃれた感じでさ」羽賀が言った。
車を止め、店内に入り席に着くと、大きな窓から庭が見える。一面が芝で覆われ、所々に木が植えてあり、ほぼ中央に大きな池がある。とても手入れの行き届いた庭だった。
メニュー表を見て山本はカツ丼にすぐ決めたが、羽賀の方がなかなか決まらない。
「あっ、猫だ」猫好きの山本が窓の外を見て言った。
「それにしても、ちょっとでかくないか?あの猫」
「そうっすね随分肉付きが良いというか・・・池の中に手を入れてますね。あのしぐさって可愛いっすよね」と微笑みながら眺める山本。
「今日は暑いから水浴びでもしてるのかな」と羽賀が言った瞬間、猫が池に顔を突っ込んだ。それと同時に物凄い水しぶきが上がった。
「うっそ・・・狩り?」その猫は、自分の体の半分ぐらいある魚を咥え、勝ち誇った様な顔で人間二人を横目で見ると、悠然と立ち去って行った。唖然として猫の姿を目で追う二人。
「微笑ましい光景だと思ったら、狩りをしてたんだな」
「弱肉強食っすね」
「あっ!俺、焼肉定食」

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態