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最終更新日:2024年04月25日
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第256話 「なでしこ?」

 高校の時の友達三人と居酒屋で飲んだ。
この日は昔話で盛り上がり、すっかり深酔いしてしまった。
「今日は泊めてくれるんでしょ?」ハルが僕に言った。
「ああ良いよ。部屋が一個空いてるからさ、そこに寝れば良いよ」
「有難う、ホテル代が浮いて良かった。貧乏人の里帰りって結構キツイのよ」
「お前、寝込みを襲うなよ」笑いながらAは言った。
「自信ないかも・・」と僕。
「えっ?嫌だ~。ホント?」
「嘘に決まってるだろ!」
「もし襲って来たら、蹴飛ばすからね。私サッカーやってるんだから、キックには自信があるんだから。その内に、なでしこリーグで活躍するかもよ」
「サッカーってスタイル維持の為の運動か?」とA。
「そんなんじゃなくて、好きだからよ。高校の時からサッカーをやりたかったんだけど男ばっかじゃん」
「だってお前・・・」とAが笑いながら言い掛けた時に迎えのタクシーが来た。
「今度来る時は、ちゃんと連絡しろよ。次はもっと沢山人を集めとくから」とAは言い残し、帰って行った。
「奥さんは大丈夫?誤解とかしないかな?こんな美人を家に連れ込んだりしてさ」
「説明してあるから大丈夫。それに連れ込みじゃねえし」
家に着くと妻が待っていた。お互いに挨拶を交わす。ハルはメイクアーティストなる仕事を東京でやっている。主に芸能関係の顧客が多いそうだ。いつしか妻と二人で化粧の話しで盛り上がり、実際にやってみる事になった。二人ともまずスッピンになった。プロの手ほどきを受けられるとあって、妻も嬉しそうだ。ハルが化粧を落としながら、居間でくつろぐ僕に言った。
「ねえ、電気シェーバー持ってる?」
「髭剃るのか?」
「うん、この時間になると、髭も伸びて来るね」
スッピンになったハルに髭剃りを渡しながら僕が言った。
「おっ、久し振りに晴彦に会ったって感じだな。それにしても変わるもんだな。メイクってさ、特殊メイクか?」
この瞬間、ハルのキックが僕のお尻に炸裂した。

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