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最終更新日:2024年04月19日
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第259話 「春秋冬」

女子社員が窓の外にある街路樹を見ながら溜息まじりに言った。
「もう秋も終わりですね」
「なに黄昏てるんだよ」羽賀が言った。
「これから冬になると思うと何だか気が重いですね」
「何か年寄り見たいだな」
「私だってもう二十五ですよ。若くないんですから」
「お前ね、ここに居る全員を敵に回すつもりか?」
「でも、秋って何かそんな気持ちになるっすよね。どちらかというと、ネガティブな季節っすよね」と山本。
「じゃ、ポジティブな季節ってどんなよ」
「やっぱ春っすよね。日差しがポカポカとして来て、新緑が芽吹いて来て、よし、これから頑張ろうって気持ちにならないっすか?」
「それは秋があって冬があるからこそ、そう言う気持ちになるんだよ。秋に今迄の古いものを投げ捨て、冬に雪の下で少ずつ新たに春への準備をするんだ。要は秋はリセットの季節なんだよ。春に向けてのな。人間も自然の一部だからその影響を受けるんだ」
「良い事言いますね。秋があって冬があるから春はポジティブになれるんすね」
「じゃ、夏はどうなんですか?」と聞く女子社員。
「夏は、春に一生懸命頑張った分が、大きく育ち、花を咲かせ実を結ぶ季節ってことっすよね」と山本。
「いや、実を結ぶのは秋だ」
「あっ、そうか、実りの秋って言いますもんね」
「それじゃ夏はどんな季節なんですか?」と女子社員。
「春秋冬とあれば夏はいらない」と羽賀。
「どうしてっすか?」
「要らんだろ、夏は」
「だからどうして要らないんすか?」
「夏は春から一生懸命育て上げたものが、暑さでバテバテになって、運が悪けりゃ次から次へ枯れて行く最悪の季節だ。おまけに体中汗でベトベトして寝苦しい」
「・・・・・」女子社員と山本は暫し呆気に取られる。
「折角ここまでいい話しをして来たのが台無しじゃないっすか」と山本。
「だって、特に最近の夏は暑過ぎないか?俺嫌いだもん暑いの」

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