求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年04月19日
最終更新日:2024年04月19日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第265話 「叔父20」

第265話 「叔父20」

ある土曜日の夕食後。玄関のチャイムが鳴った。
「知り合いの漁師から蟹を貰っちゃってよ。ばあさんと二人じゃ多いから、お前等と一緒に食おうと思ってな」
いつもの事だが、突然叔父がやって来た。叔母も一緒だった。大きな白い発泡スチロールの箱を開けると、大きな毛蟹が五杯入っていた。
食事が終わったばかりだと妻が言うと。
「大丈夫だって、蟹は別腹だ。なあ、そうだべ?」
「そうだよね」と僕。とりあえず一人一杯ずつ蟹を食べ始めた。
「凄い身が入ってるね。これ全部は、私無理」と妻。
「残ったら冷蔵庫入れといて明日食えばいい」と叔父。
その時だった、またチャイムが鳴った。玄関に行くと友達が白い発泡スチロールの箱を持って立っていた。
小学校五年生である息子のマーちゃんも一緒だった。
「知り合いからこれ貰ったんだけど、一緒に食べないか?あれ?お客さんか?」
「お客さんってほどのもんでもないんだ。入れよ」叔父とマーちゃんの久し振りの対面だった。
「おお、マー坊か、久し振りだな。少し大きくなったんじゃないか?」と叔父。
「はい、少し伸びました。お久し振りですね。お元気でしたか?」
「元気も元気。ちょうど良いところに来たな。蟹があと二杯あるから食え」と毛蟹を進める叔父。
「僕達も蟹を持って来たんですけど」とマーちゃん。友達が持って来た箱を開けると大きなタラバ蟹が一匹入っていた。
「で、でかくないか?」
「け、毛蟹とタラバは別腹だって。これで花咲蟹があれば最高だな」と叔父が冗談を言ってると、また玄関でチャイムが鳴った。
「えっ?花咲?」と僕が言うと、一瞬全員が固唾を飲んだが今度は酒屋だった。 「いやな、ビールが足りないと思って頼んどいたんだ」と叔父が上機嫌で言った。
その日、ビールを飲みながら蟹をつまみにした宴会は、夜遅くまで続いた。
次の日、叔父は足が痛くなり病院へ行くと、通風と診断された。

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態