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最終更新日:2024年03月29日
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第271話 「出来る人」

会社の帰りにタバコを買う為コンビニに寄る。いつもの顔見知りの店員だった。
「タバコ下さい」
店員は感じの良い返事をすると、銘柄も言わないのにタバコを陳列棚が2個取ってカウンターの上に置いた。
「今日はフリスクはいらないんですか?」
僕は礼を言うと、後ろの棚にあったフリスクを手に取ってカウンターに置いた。痒いところに手が届くと言うか、こういう人を仕事が出来る人っていうんだろうなと思いながら、僕は店を後にした。
何日か経って、同じコンビニへ行くと、今度は別の店員がいた。こちらも顔見知りの店員だ。
「タバコ下さい?」
「銘柄は何ですか?」
僕は、この事を友達が経営する居酒屋で話した。
「うちで雇ってるバイトも同じだよ。例えばだけど、目の前にゴミが落ちてても拾わない。言うと拾うんだ。でも、その先にもう一つゴミが落ちてても拾わない。一々言わなきゃ何もできない。でも、別の子は一度言うと、その先にあるゴミも自分から率先して拾うし、今後どうしたらゴミがちらからないかまで自分なりに考え、提案をしてくれるんだ。ここが出来る人間と出来ない人間の差なんだろうな。最初の店員が出来る店員で後が出来ない店員とまでは言わないけど、自分なりに場面場面で考えて行動する必要はあるだろうな。要はお客さんをいかに気持ちよくさせる事ができるかが接客業なんだよ」
結構遅い時間になっていた。もう帰ろうかと思っていたら、店員の女の子がコーヒーを入れてくれた。帰り際にコーヒーを飲むのが僕の習慣になっていたからだ。
「何で帰るって分かった?」
「時計を気にし出してたから、もうお帰りになる頃かなって思いまして」
「へ~っ凄いね。将来きっと良いお嫁さんになるよ」
「タクシーも呼んでおきましたよ」と笑顔で言う店員。
「えっ?今日はうちの奥さんが迎えに来てくれる事になってるだよ」
友達の顔を見て僕は言った。
「その先にあるゴミも拾うってこう言う事?」

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