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最終更新日:2024年04月19日
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第275話 「面接の日(2)」

 昨日、今日の面接の為に、面接する会社まで実際に車で行ってみた。少し迷ったが十五分もあれば充分に到着する事が分かっている。まだ少し時間があるので、夕食の準備しようと、お米だけとぐ事にした。
痛い足をかばいながら階段を降りて台所に立つ。力加減を誤り、水道のコックを上に上げると、物凄い勢いで水が蛇口から噴き出し、お米と一緒に辺り一面が水浸しになった。私のスーツも・・・。
台所を片付けてスーツをドライヤーで乾かす。今日の私は何故かついてない。これ以上余計な事はしないで、さっさと面接に出掛けた方が良さそうだ。玄関でブーツを履こうとしたが、湿布で太くなった右足がブーツへの進入を拒む。無理に履こうとすると激痛が・・・。
昨日は雪が降って道も悪いので長靴でも良いかと思い、私は玄関の隅にあった長靴を履いた。外はいつの間にか猛吹雪になっていた。
面接場所である会社の横に暫く車を止め、約束の十分前に会社へと入った。
「本日三時に面接をする事になっております田中です」
「少しお待ち下さい」そう言うと女子社員は担当者を呼びに行った様だった。
「車は何処に置きました?」四十過ぎぐらいの細身の男性が出て来て言った。
私は車の場所を伝えると。
「そこから三百メートルぐらい先に、うちの駐車場があるからそっちに移動させてもらえるかな」
それにしても今日は何ていう日なんだろう。最悪にもほどがある。そう思いながら私は車から降りた。死ぬかと思った。三百メートルどころか五百メートル以上は絶対にある。前もほとんど見えず、息が詰りそうな程の猛吹雪の中を右足を引きずる様に歩き続け、ようやく会社にたどり着いた。もうヘアースタイルも何もあたったもんじゃない。
「外は凄い吹雪ですね」
私のもみくちゃになった髪を見て少し同情と哀れむ様な感じで女子社員は言ったが、目が少し笑ってた。その辺の洞察力に関しては私は鋭いのだ。絶対に笑っていた。

つづく

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