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最終更新日:2024年04月19日
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第277話 「面接の日(4)」

「私は事務職を募集していると思って面接に来たんですけど・・・」
「いえ、事務職は募集してませんよ。あっ、誰かに聞いて来ました?今月、事務の女の子が退職するんで、来週辺り求人広告を載せようかと思ってたんですよ」
私は何かとんでもないミスを犯したのではないかという不安に駆られ出した。
「そうですか。事務経験も長かった様ですし、うちの仕事をやる分には問題なさそうですね」と、面接担当者も何か大きな勘違いをしている。私は誰かに聞いてここに来たのではない。求人広告を見てここに来たのだ。それも事務職募集の広告を見て。
その時だった、机の上に開き放しになったQ-jin君が目に入った。沢山ある広告の中からここの広告を探し出す。何度も見ているので、瞬間的に目に飛び込んで来た。そこには、営業社員募集と大きく書いてあった。私はいったい何を見てここに来たの?
「まあ、来週募集を出そうと思ってたんですが、良いでしょう。採用します。月曜日から出社して下さい」
何だかよく分からないまま、採用が決定してしまった。家に帰って主人に話すと。
「良かったじゃないか」と喜ぶ主人だったが、何か釈然としない私の様子を見て心配そうにどうしたのかと尋ねた。私は今日の面接の内容を話すと、主人はQ-jin君を手に取り、広告を見ながら言った。
「お前、この上にある広告を見たんじゃないか?」
そこには、面接前に私が何度も見返した見慣れた文章が載っていた。電話を掛けた会社とは違う会社に面接に行ってしまったのだ。どうりで話がかみ合わないはずである。大笑いする主人だが、私は今日、面接をすっぽかした事になる。そんな事は私の性格上、許せる事ではない。直ぐに今日面接に行く予定だった会社に連絡を入れた。勿論、お詫びを言う為だ。
「今日三時に面接へ行く予定だった田中と申しますが」
「ああ、田中さん。先程はどうも。どうしました?月曜日は都合が悪いですか?」
「・・・・あら?・・・また間違えた」

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