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最終更新日:2024年03月28日
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第278話 「マーちゃん16」

 友達が出張の為、息子である小学五年生のマーちゃんを一晩預る事になった。
「今日泊めて貰う事になりました。お世話になります」
玄関で迎えた妻に礼儀正しく挨拶をするマーちゃん。
「良いの良いの、気にしなくても。自分の家だと思ってゆっくりしてってね」
「メシ食ったらゲームでもするか?面白いソフトがあるからさ」
「ゲームは暫く振りですね」
「家ではやってないのか?」
「ほとんどやってないです」
「前は結構やってたじゃん」
「最近思う様になったんです。ゲームで高得点を出したから何なんだって」
「おっ、そう来たか」
「ゲームが上手いからって言っても、人生には何の約にも立たないんですよね」
「確かにそうだな」
「じゃ、無駄な時間なんじゃないかって思うんです。それなら本を読んだり、良い映画を見たり、音楽を聴いたりした方がずっと意味のある事なんじゃないかって・・・どう思います?」
「ゲームに限らず、何事もやり過ぎは良くないよな。本ばっかり読んでても疲れるだろうし、少しの時間を気分転換するっていう意味でゲームを選ぶのは、悪い事じゃないと思うけどな」
「僕も最初はそういう気持ちでやってたんですけど、ついつい熱中し過ぎちゃって、気が付くと時間がたくさん過ぎてて・・・」
「随分と時間にこだわるな。マーちゃんにはまだまだ時間があるだろ。まだ小学生なんだし」
「この前お父さんが言ってました。人生は長い様で短いから時間を無駄にするなって」この言葉を聴いて僕はハッとした。自分もこの前まで学生だった様な気がする。気が付けばおっさん。今まで自分は何をして来たんだろう。そう考えると何だかへこんだ。
「でも、今日は特別な日なんでゲームをしましょう」
僕の様子を見て何かを察したマーちゃんが子供をなだめる様に言った。
「僕ソフトを持って来たんです。これなら無駄じゃないですよ。漢字クイズです」
それを見た妻が言った。
「どっちが大人なんだか」

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