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最終更新日:2024年04月19日
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第281話 「律子さん1」

 新しい職場での採用が決まった次の日、私はスーツを買いに行く事にした。スーツは昔、OLをしていた頃の物しかなく、その中でも今の私の身体に合う物は一着しかない。それもお腹を引っ込めてやっと入る。お店で一着目を着て鏡に映してチェックする。店員が来て言った。
「この商品は先週入荷したばかりの新商品なんですよ。とってもお似合いですよ」
お似合い?そんな事は言われなくても分かってる。色やデザインも私好みだし。
「でも、少し派手じゃないかしら?」私は謙遜して言ったつもりだった。
「お仕事ですか?」
「そうなんです」
「じゃ、ちょっと派手かも知れませんね。こちらのタイプはどうでしょう?」と言って店員はかなり地味なスーツを持って来た。
これを私に着させるつもり?このババくさいスーツを?
「これはちょっと地味じゃないかしら?」
「いえいえ、若い人にはとても人気のあるタイプなんですよ」
若い人?私も若いって事なのかしら?言われるままに袖を通す。
「あら、良いかもね」
「ええ、とってもお似合いです」少し地味だと思ったが、モデルが良いから何を着ても似合う。
「どうぞスカートの方もご試着下さい。よろしければこちらもお似合いになるとま思いますよ」
私は言われるま二枚のスーツを受け取ると試着室に入り、スカートを穿こうとしたが、二枚とも私のお尻を越える事ができなかった。私はもう一つ上のサイズを要求した。今度はお尻は越えられたが、腰のところのフックが留まらない。店員に言うと、これぐらいなら直せると言う事だったが、それでは私のプライドが許さない。そのままスーツ二着と直ぐに着られるワンサイズ上のスーツを一着買うと、ある決意をしてお店を後にした。
夕方、仕事から帰宅した主人が私を見て驚いて言った。
「どうした?ジャージなんか着て、それに汗まみれじゃないか」
「今日からランニング始めたの。健康の為にね」

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