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最終更新日:2024年04月19日
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第287話 「律子さん3」

食料品会社の事務を希望して面接を受けたつもりだったが何故か建設資材を販売する会社で働いている。私が面接をする予定だった募集広告の隣りに載っていた広告を見て面接に来てしまったのが原因だ。待遇面ではこっちの方がずっと良いので、結果オーライって事で私なりに満足している。この会社で働き始めて三週間になる。まだまだ判らない事ばかりだが、何とか仕事はこなせている。
「ステキですねそのスーツ」隣りの席に座っている田中好子が言った。
私と同じ田中ってのが紛らわしいので、みんなは私の事を下の名前で律子さんって呼ぶ様になった。私は田中好子の事をスーちゃんって呼んでいる。自分と同じ名字にさんを付けて呼ぶ事に抵抗があるからだ。
「そう?似合ってる?」当たり前の事を聞くな。
「はい、とっても。出来るOLって感じですね」
「ありがとう。スーツに負けない様に頑張るわ」
スーツは入社前に買った物で、少しきつかったけど、ダイエットを誓って買った物だ。服が合わなければ体を服に合わせれば良い。これが私の持論。もっともそれには人並み外れた精神力と忍耐力が必要な事は、ダイエット経験者なら分かるはず。まず普通の人には無理ね。私だからこそ出来る。
「私、少しダイエットしようと思って近所を走ってるんです」田中好子が言った。
「へ~っ、偉いわね」
「それに、うちの犬も少しメタボ気味なんで時々一緒に走ってるんです」
「犬もメタボになるの?」
「チワワなんですけどね」
「チワワって小型犬よね」
「そうなんですけど、うちのは8キロもあるんですよ」
そうか、犬と一緒に走れば楽しいのかも。私は家に帰ってから主人に言った。
「あなた前に犬が欲しいって言ってたわね。いいわよ、飼っても」
「えっ?本当?俺、チワワが良いんだけど」
「ダメ!小型犬なんて。大型犬じゃないと絶対ダメ!」
人と同じは絶対嫌だし、どうせ飼うんだったらその上を行かなきゃ。

つづく

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