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最終更新日:2024年04月19日
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第300話 「さおり」

 友達に女の子が生まれた。美男美女の間に生まれた子どもなので、どれほど可愛いかと思い、お祝いを持って駆けつけた。
真新しいベビーベッドの上でスヤスヤと眠っている。
「おい、どうだこれ?可愛いだろ?」友達が言った。
「うん、可愛いけどスンゲーブスだな。鼻がめり込んでるし」僕が言った。
「そうだろ、ブスだろ」
「起きないかな?」
「今寝たばかりだから暫くは起きないと思う」
「それにしてもよく見れば見るほど凄い顔してるな」
「この顔が良いんだよ、愛嬌があってさ」
「確かに愛嬌はあるよな」
「だろ?見れば見るほど可愛いくなるんだよ」そこに奥さんがやって来た。
「あら、いらっしゃい」相変わらず綺麗な奥さんだ。
「こいつ、やっぱりブスだってさ」友達が奥さんに笑いながら言った。
「そりゃそうでしょ。誰が見たって立派なブスよ」その時、赤ちゃんが起きた。
「あら?もう起きちゃったの?でもひどいよね。みんなでブスブスってさ」赤ちゃんをベッドから抱き上げながら奥さんが言った。
「お前だって言っただろ立派なブスだって」
「名前は何てつけたんだ?」僕が友達に聞いた。
「さおり」
「さおり?この顔で?」僕は思わず、ふき出した。
「このアンバランスさが良いんだよ」と笑う友達。
月日が経つのは早いもので、女の子も六年生になった。
「さおりちゃんは元気か?」
「ああ元気過ぎて困るくらいだよ。最近は横にも大きくなりだしてさ、まあ、飯もよく食うからな、当然って言えば当然なんだけど、足が細いからさ、ちょっとした拍子でポッキリ折れたりしないか心配なんだよ」
側にさおりがやって来た。
「あらら随分と大きくなっちゃって、ますますブスに磨きが掛かったな」と僕。
「ひどいな~皆でブスブスってさ、でも性格は最高に良いんだから」
将来は美人確実と思われる小学六年生の娘は、同じ歳のフレンチブルドッグのさおりを膝の上に抱き上げて言った。

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