求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年04月18日
最終更新日:2024年04月18日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第305話 「マーちゃん20」

第305話 「マーちゃん20」

友達の家に行くと、息子である小学五年生のマーちゃんが本を読んでいた。
「お父さんは、まだお仕事から帰って来てないですよ」
「そっか。おっ、読書か。何読んでんだ?」僕はマーちゃんの持つ本を覗き込む様にして言った。
「『ツナグ』です」
「それ、文庫本?コミックじゃなかったんだ」
「小説です。面白いですよ」
「うん知ってるよ。今、映画でやってるやつだろ?どんな内容なの?」
「一生に一度だけ、死んだ人に会えるってお話です」
「死んだ人って、おばけと会うってこと?」
「そうですね。おばけって言えば、おばけかな?その死んだ人と生きた人を仲介する人をツナグって言うんです。ほら、使者って書いてツナグっていうみたいですよ」マーちゃんが楽しそうに説明してくれた。
「おばけ側はどうなの?一生って言葉はあてはまらないよね。死んでるんだから」
「おばけって言うと、お話が白けちゃうっていうか、内容自体にリアリティーが無くなるというか、やっぱり死者って言った方が良いかと思うんですが・・」
「そっか。ごめん。そうだよな。物語の中に入り込んで読んでいる訳だから、確かにリアリティーは必要だよな」と反省する僕。
「死者も生きた人と会えるのは、一度だけなんですよ。その代わり、会うのを断る事もできるんです」
「分らない字は調べながら読んでるんだ」側にある国語辞典を見て僕が言った。
「そうなんですよ。だからまだ半分しか読めてません。早くたくさん漢字を覚えてどんな本でも読める様になりたいです」
家に帰って妻に話す。
「へ~偉いよね。漢字を調べながら読むなんてね」
「読んだら貸して貰うんだ。あっ、そうそうマーちゃんに本を貸すんだ。今度行く時に持って行かなきゃ」
「何の本を貸すの?」
「ぬらりひょんの孫」
「ぬらりひょん?それって漫画じゃないの?小学5年生の子から『ツナグ』を借りて、大人のあなたが『ぬらりひょんの孫』なわけだ」

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態