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最終更新日:2024年04月25日
最終更新日:2024年04月25日
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第312話 「 趣味(1) 」

 友達から電話が来て、仕事帰りにちょっと一杯飲むことになった。残業が長引き、少し遅れて待ち合わせの居酒屋に行くと、友達二人と女友達の涼子の三人が待っていた。
「おっ、久し振りだな涼子。元気だったか?」コートを脱ぎながら僕が言った。
「そうだね。引っ越しの時以来だよね」
「三年振りか?」とA。
「二年振りだろ」とB。
「二年振りだね」と涼子。
「えっ?もしかしてまた?」と僕が驚いて聞いた。
「なっ、そう思うだろ?」と笑いながら言うA。
「俺達もそう思って来たんだよ。涼子が会いたいって言ったら決まってるもんな」とAと顔を見合わせながら笑うB。
「じゃ何?違うのか?」
「違うよ。もう引っ越しは終わりだから」と涼子。
「終わり?終わりってどう言う事よ。引っ越しが趣味の女がさ」
「私、結婚するの」
「あの銀行員とか?」
「そう」
「本当に結婚するの?」
「そう結婚するの」
「そ、そうか。おめでとう」と言う僕の言葉を全く無視した様に涼子は言った。
「で、どう思う?」
「どうって・・・い、良いんじゃないか?」
「あんたも賛成じゃないんだね」と口を尖らせ、少しふくれた顔で言う涼子。
「いや、別に俺は賛成も反対もないよ。涼子が良いって思えば、それで良いんじゃないか」
「この二人と同じ事言うんだね」と涼子。
僕が返答に困っているとAが言った。
「俺らもさ、銀行員とは二回しか会った事無いし・・」
「三回だろ」とB。
「うん、三回だね」と涼子。
「うっせ~な~。さっきからお前ら何だよ。二回も三回も大して変わらねえだろが、とにかく三回しか会ってないから良く分らないしさ、お前ら長い間付き合ってたんだし、二人で一緒に結婚しようって決めたんだったらそれで良いだろう。俺達だって祝福するよ」
「な~んかな~。みんな私の彼の事、あまり好きじゃないでしょ」

つづく

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