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最終更新日:2024年04月25日
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第332話 「マーちゃん21」

珍しく友達の息子で小学五年生のマーちゃんから電話が掛かって来た。
「ゴールデンウィークに子どもを何処にも連れて行ってくれない父親をどう思いますか?」マーちゃんは、捲くし立てる様に言った。
かなり怒っている様だった。
「お父さんは仕事休み?」
「十連休だそうです」
「そりゃまた随分と長い休みだな」
「その長い休みの中のたった一日も僕の為に使おうって気は無いんですよ」
「それりゃひどいな」
「でしょ?ひどいと思うでしょう。僕の家庭は普通の家庭とは違うんです。母親が居ない父子家庭です。こんな時こそ、普段希薄になっている親子としての絆を深めるべきなんじゃないでしょうか?」かなりご立腹の様だ。
「う、うん。まあそうだな」
「お父さんは居るの?」
「居ません。パチンコに行きました。ちなみに昨日もパチンコです」
「何処かに行こうって言ってみた?」
「勿論です」
「で、何て?」
「昨日は、その内にな。で、今朝は、少し疲れてるんだ。でした」友達の声色を真似てマーちゃんが言った。
「じゃ、僕はどうなんでしょう?毎日学校へ行って勉強して、家に帰ったら掃除洗濯に夕飯の仕度をしているんです。宿題だってちゃ
んとやってます。子どもだからストレスは溜まらないとでも思ってるんでしょうか?僕もこのままでは、健全な少年として清く正しく生きていく自信はありません。僕が道を踏み外してもお父さんは良いと思ってるんでしょうか?」段々とテンションが上がって来ている。ここは下手に刺激しない方が良さそうだ。
「そうだよな。よし、今日は俺も暇だから映画でも見に行くか」
「えっ?良いんですか?でもやっぱり悪いです。奥さんも僕と同じ気持ちじゃないでしょうか」
「奥さんは仕事に行ってるから気にしなくて大丈夫だよ。今日は天気も悪いし、映画でも行っか」そう言って僕は電話を切った。
つづく

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